パフォーマンスを最大化するための手段は?

アスリートが最高のパフォーマンスを発揮するには
どういったトレーニングに取り組めば良いのか。
どうやって追い込めばよいのか。

多くの指導者およびアスリートは、【鍛える】という部分に目を向けすぎているようにも感じることがあります。それが結果的に過剰な練習時間やパワハラといった問題にも結びついているのかも知れません。

今回の記事では、「テーパー」という手法を調査した論文を紹介します。

目次

論文紹介

題名:(ハンドボール選手)一定期間、筋力トレーニングに取り組んだ後にテーパー期間を設けることがパフォーマンスに与える影響

Effects of short-term resistance training and tapering on maximal strength, peak power, throwing ball velocity, and sprint performance in handball players
著者:Souhail Hermassiら
公開日:2019年7月5日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6611564/

内容:筋力トレーニング(10週)後のテーパー(2週)期間を設けることによるパフォーマンスへの影響を調査!

20名(20〜21歳男性)のハンドボール選手が実験に参加。
筋力トレーニング(10週)+テーパー(2週)群(10名)と普段通りの対照群(10名)に分けて調査。

実験前・10週後(筋力トレーニング後)・実験後(テーパー後)の3箇所にて
筋力、スプリント走・T-test(敏捷性)・ボールスロー速度を測定しました。

筋力トレーニング群の取り組んだ種目は
スナッチ・ハーフスクワット・ベンチプレス・クリーン&ジャークの4種目でした。

※回数や頻度といった細かな部分は論文詳細を御覧ください。

トレーニングにおいて「テーパー」というのは、
その期間、トレーニング量を減少させていくことを指します。
目的は、疲労を減らしていきパフォーマンスの最大化させるためです。

今回の実験では、テーパー期間(11週目-12週目)に
トレーニング量は3分の2へ減少・トレーニング頻度は50%減少させたとあります。

結果:10週のトレーニングによってパフォーマンスが向上しました。その後2週テーパーによってさらにパフォーマンス向上が見られました。

今回の実験による結果として、
筋力トレーニング前と比べて10週間のトレーニングに取り組んだあとは
最大筋力発揮、垂直跳び、ボール投げ速度のパフォーマンスが向上しました。

さらに、10週間の筋トレ後に実施した2週間テーパリング後は、
最大筋力発揮、垂直跳び、ボール投げ速度のパフォーマンスが向上しました。

まとめ

目標とする期日のために
努力して取り組んできたトレーニング効果を、最大化する。
そのための手段として、テーパーという期間を設けることの意味を報告された内容となりました。

アスリートの皆さんが、パフォーマンスのピークを持ってくるための手段の一つとして認識して取り組んで欲しいと思います。


論文の中で、snatch from a squatting positionという一文があります。
これを日本語に直訳すると「しゃがんだ位置からの ひったくり」となります笑
英語の論文を読むときは、ある程度の単語やその分野に対する専門的知識が必要ですね。

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