HMBサプリメントの効果を調査

HMBというサプリメントをご存知でしょうか?
HMB(β-ヒドロキシβ-メチルブチレート)は、必須アミノ酸である【ロイシン】の代謝中間物質であります。
体内では、ロイシンから約10%のHMBが変換されるようです。(※ロイシン10gからHMB1gが生み出される)

最近、HMBサプリメントをネット広告でも目にする機会が増えてきました。
どのようなメカニズムで、体に影響を与えているのかを調査した論文をご紹介いたします。

目次

論文紹介

題名:HMBの作用機序と効果「システマティック論文」

Mechanism of Action and the Effect of Beta-Hydroxy-Beta-Methylbutyrate (HMB) Supplementation on Different Types of Physical Performance – A Systematic Review
著者:Piotr Kaczkaら
公開日:2019年8月21日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6724588/

内容:HMBの主な作用とエルゴジェニック効果を調査

①タンパク質の分解を防ぐ。
⇨ユビキチン(タンパク質分解作用)との結合を防ぎます。

②タンパク質の合成を促進する。
⇨mTOR(タンパク質合成に関する酵素)を活性化させます。
⇨成長ホルモンとIGF-1(インスリン様成長因子)の分泌を促進させます。
⇨速筋繊維の筋肉幹細胞増殖が見られたという研究もある。

③体脂肪を減らす効果が期待できる。
⇨脂肪酸のベータ酸化が促進される。

④トレーニングによる筋肉損傷を防ぐ。
⇨筋組織損傷マーカーの減少が見られる。

⑤筋力トレーニングによる効果を高める。
⇨12週間の筋トレ(ベンチプレス・スクワット・デッドリフト)による効果が、プラセボと比べて有意に高まった。

結論:性別や年齢に関係なく、すべてのスポーツ分野においても有益なサプリメントである!

結論としては、なんだか出来過ぎな感じもしますが。現状で分かっている範囲ではこの通りです。

摂取量としては、
HMBを1日3 gが推奨されます。高用量(6 g)での実験もありましたが、まだ数は少ないです。
しかし、HMBサプリメントは安全で、1年間継続して摂取しても健康上​​の問題を引き起こさないようです。

まとめ

当チームでもHMBサプリメントを利用しています。

論文中にも出てきますが、
HMBサプリメントとして形が2種類あるようです。
HMB-Ca(カルシウム結合)とHMB-FA(遊離酸)の2つ。

HMB-Ca(1g)摂取後の血中濃度は約2時間でMAXとなります。それに対して、
HMB-FA(1g)摂取後の血中濃度は約30分でMAXとなることが確認されています。

さらには、同量を摂取した場合でも血中濃度が異なるようです。
HMB-FAは、HMB-Caの2倍の濃度。体内に存在する時間も長く吸収率も高いとされています。
これだけ見ると、良い事ばかりですね。
悪いことといえば、値段が高いことでしょうか。

↑こちらはHMB-Ca(カルシウム結合)製品となります。

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