カフェインは運動能力を向上させるのか?【メタアナリシス】論文

前回(No.38)の記事に続き、
今回もコーヒーに含まれている成分である【カフェイン】を取り上げます。
なぜなら、コーヒーが好きだからです。それではどうぞ!

目次

論文紹介①

題名:カフェイン摂取が筋力に与える影響【メタ分析】

Effects of caffeine intake on muscle strength and power: a systematic review and meta-analysis
公開日:2018年3月5日
著者:Jozo Grgicら
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5839013/

内容:「カフェイン摂取群」と「プラセボ群」で比較

カフェイン摂取による、最大筋力・パワーへの影響を明らかにするため調査しました。

文献検索により、合計で2533のドキュメントが見つかり、
タイトルと抄録の予備審査の後、71件の研究を精査。

結果:上半身の最大筋力は有意に向上していた!

上半身の筋力向上においては有意な増加が示されました。
しかし、下半身の筋力に関しては筋力向上が報告された研究もありましたが
明らかな有意差ではない。と結論づけをされました。


論文紹介②

題名:カフェイン補給は、オリンピックレベルのボクサーの能力を改善します。

Caffeine Supplementation Improves Anaerobic Performance and Neuromuscular Efficiency and Fatigue in Olympic-Level Boxers
著者:Alejandro F. San Juanら
公開日:2019年9月5日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6769736/

内容:「カフェイン摂取群」と「プラセボ摂取群」で比較実験

(摂取方法)
・カフェイン群:体重1kgあたりカフェインカプセル6mg
・プラセボ群:体重1kgあたりショ糖カプセル6mg
試験開始の60分前にそれぞれ摂取しました。

結果:オリンピックレベルの選手でも改善が明らかでした!

・無酸素性(嫌気性)パフォーマンス(ウィンゲートテストとCMJ)を改善
・下肢の疲労レベル(ウィンゲートテスト後のCMJ)を改善
・一部の神経筋効率を向上させる(外側広筋、大殿筋、前脛骨筋)
・反応速度(出力ピークまでの時間短縮)を高める

※プラセボ摂取パターンでも、いくつかのパフォーマンスに向上が見られたのは面白い結果でした。


私見まとめ

カフェイン摂取は、
運動パフォーマンスに良い影響を与える手助けになるのは明らかです。
私自身の感覚値としても、コーヒー飲んだ後は「トレーニングの重量あがるよな」という実感があります。

こういったサプリメントなどの栄養摂取による効果は、当たり前なのですが「120%に上昇させる!」みたいなモノではありません。
自分が積み上げてきた体力・能力を最大限に引き出すお手伝いする役割です。
つまり、「100%に近づけるため」のアイテムであると認識したほうが適切でしょう。
日々のトレーニングによって体力・能力を向上させていく、自分の100%という数値を大きくしていく作業を疎かにしないように。

カフェインが筋力を向上させるメカニズムとしては
「神経伝達速度・運動単位の増員・覚醒度向上などの中枢神経系への働き」といったことが考えられています。

ですが、正確なメカニズムは完全に解明されていない様子。

※カフェインの過剰な摂取量に関しては、【No.38】記事に記載してありますのでご覧ください。

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