細胞を飽きさせない。ミトコンドリアを刺激し続けよう【トレーニングの適応について】

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「去年と同じメニューで、同じように追い込んでいるのに、記録が伸びない。」
「昔のやり方にこだわって、新しい方法を取り入れるのが怖い。」

そんな声を、現場でたくさん耳にします。

私もそうだけど、過去に「あのやり方は成功したな」と思えるような体験が「こだわり」みたいなものを作り出しちゃうんですよね。

そこで、覚えておきたいことは
【身体は、慣れる。】
そして慣れた瞬間、成長は止まる。

アスリートの限界を超えるカギは、ただ練習を積むことではありません。
“細胞レベルで進化を発生させる刺激”を、どれだけ継続できるかにかかっています。

そんな鍵を握る、パフォーマンスの指標となり得るのが、ミトコンドリアです。

この記事で伝えたいこと

ミトコンドリアは「エネルギー工場」以上の存在。進化する細胞の司令塔。

同じ刺激の繰り返しでは、ミトコンドリアも怠ける。

過去の成功体験に縛られるほど、細胞の進化は止まる。

継続と変化、この二つを両立させることがアスリートの未来を決める。

細胞が“新しい刺激”を受けるトレーニングを設計していこうぜ。

トレーニングの計画を設計しよう!ってことを話しているよ。
目次

ミトコンドリアは何をしているのか?どんな役割があるのか?

「ミトコンドリア=エネルギーを作る場所」
それだけではなく、正確な表現ではないですが、ざっくりと以下のような働きがあると考えられます。

ミトコンドリアは──

✅エネルギーを生む

食事や酸素からATP(エネルギーの通貨)を生産。

ATP不足は動けない、粘れない、回復できない原因に。

✅代謝の切り替えスイッチ

脂肪を燃やすか、糖を使うかをコントロール。

“省エネ”か“全力”かを決める、まさにパフォーマンスの司令塔。

✅疲労の処理&修復

高強度運動で増える活性酸素を除去し、細胞を守る。

ダメージ修復にも深く関わる。

つまり、

ミトコンドリアの質と量が、アスリートの運動パフォーマンスを左右する。
持久力も、粘り強さも、回復力も、この細胞の小さな工場が担っていると考えられます。

研究論文の紹介

題名:The impact of exercise on mitochondrial biogenesis in skeletal muscle: A systematic review and meta-analysis of randomized trials
著者:Diana Marisol Abrego-Guandiqueら
公開日:2025年5月30日
https://www.degruyterbrill.com/document/doi/10.1515/bmc-2025-0055/html

上記の系統的レビュー&メタアナリシス論文では、運動がミトコンドリアにどう影響するかを説明してくれています。

論文結論

  • 運動刺激でPGC-1αが活性化し、ミトコンドリアを作る遺伝子群が動き出す。
  • 高強度運動(HIITなど)が特に強い刺激になり、持久的運動と筋トレの組み合わせが最も効果的であると考えられる。
  • 年齢、肥満に関係なく、適切な刺激を与えれば誰でもミトコンドリアは進化する。
  • パフォーマンス(VO₂max向上、体組成改善)と直結する。
  • 個人差が大きく、過去のやり方をただ繰り返すだけでは限界が来る。

私見まとめ

私が、アスリートの皆さんや指導者の方々へ伝えていることは、

「パフォーマンス向上には、細胞に新しい刺激を与え続けるべきだよね。」ということです。

例えば、

毎週同じインターバルではなく、強度やレスト時間を変えてみたり。筋トレとエアロビックを組み合わせを変えてみたり。年齢を理由に強度を下げ続けるのではなく、短時間高強度を取り入れてみたり。

大事なのは「継続」×「変化」

同じ練習を繰り返すことは、もはや安心感を得るためでしかないのよ。
過去の成功体験に縛られ続けるほど、細胞は進化をやめちゃうよ。

「とにかく練習量を増やせば強くなる」そう信じて、ひたすら同じことを繰り返していませんかね?

そんな思考やマインドこそ、変化させてこ。

同じ種類のトレーニングを毎日続けると、最初のうちは確かに効果を感じるんだけど。やがて体は「この刺激はもう慣れた」と判断し、それ以上の適応を求めなくなるんだよね。

闇雲に量を増やすのではなく、意識的に「新しい刺激」を取り入れて、慣れを打ち破っていこ。

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この記事を書いた人

山﨑 裕太のアバター 山﨑 裕太 コーチ

アスリートのコーチングが仕事
オリンピック選手指導
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