【筋肥大への影響】トレーニング中の意識の違いで効果は変わるのか?

多くのアスリートが「筋トレ」に励んでいることと思います。

優れたアスリートほど、競技中のテクニックやプレーに対して【自分なりの運動イメージ】を明確に持っているように感じます。

しかし、競技以外の「いわゆる筋トレ」になると、自己流でやって怪我や故障をしたりといったアスリートもいます。

怪我や故障をしないまでも、
筋トレ動作を「無理に競技動作へ結びつけようとする」アスリートの方々も見受けられます。

その結果、競技動作に対する【自分なりの運動イメージ】を見失い、パフォーマンスが低下する。という可能性も考えられます。

No.87 指導者はどのような言葉がけをすべきか?運動能力に与える意識の影響

筋トレ動作と競技動作を、目的もなく無理に同じようにする必要はありません。

☑今記事では、【筋トレ中の運動イメージ】効果についてを研究された論文をご紹介したいと思います。

目次

論文紹介

題名:Differential effects of attentional focus strategies during long-term resistance training
著者:Brad Jon Schoenfeldら
公開日:2018年3月13日
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29533715/

論文結論:内的意識(インターナルフォーカス)が、筋肥大効果を高める可能性が示唆されました

🔽内的意識(Internal Focus)が、外的意識(External Focus)と比べて、上腕部(肘屈筋)の筋肥大が明らかに有意でした。

🔽内的意識も外的意識も、大腿部(膝伸筋)の筋肥大は同様でした。

※過去1年間はレジスタンストレーニングを実施していないレベルの被験者が対象でした。

論文内容:8週間のトレーニング期間を2つのグループに別れて筋肥大効果を調査

■30名の一般男性(18〜35歳)が実験に参加。

■10週間の実験期間(1週目テスト⇨2~9週目トレーニング⇨10週目テスト)で実施されました。

■8週間のトレーニング期間では、週に3回のレジスタンストレーニングが実施されました。

■実験グループは2つに別けられました。(①内的フォーカス群15名/②外的フォーカス群15名)

■トレーニング内容は、立位でのバーベルアームカール・マシンレッグエクステンションの2種類

■内的(Internal)意識グループでは”squeeze the muscle!”、外的(External)意識グループでは”get the weight up!”

私見まとめ

動作に対しての【意識の向け方】によって、効果やパフォーマンスが変化する。ということが明らかになってきています。

競技者・アスリート自身が、このような事実を知り、活用することが何よりも重要だと思います。

ですが、
スポーツ・競技に取り組み始める当初のほとんどは、大人からの指導を受けることでしょう。

その指導者たちから「意識の向け方」を押し付けられて、上手くパフォーマンスを発揮できないなんてケースも多くあるのかもしれません…。

競技種目によっては、動作への「意識の向け方」が結果に対して重要ではなく、もっと優先順位の高い事項が山程あるかもしれません。

※例えばチームスポーツ


競技レベルによっても、優先されるべき能力は異なると考えています。

競技初級者が中級者へレベルアップするためには、まずは「反復すること」が重要でしょう。

それによって、動作の「型」を覚え、無意識レベルにまで落とし込みます。


競技力の高いアスリートの多くは、長嶋茂雄氏のような感覚を持っているように感じます。

※長嶋茂雄氏的感覚(バッティング編)「グワッーーっと来てバンッ!」

このような感覚を指導者は教えられるのか?
また、教えられるとしたらどのように伝えればよいのか?

私はこのような「コーチング・キューイング」に興味があります。


日々のトレーニングによって、身体能力を向上させるためには論理的に。
パフォーマンスを発揮するときには、感覚的に。
  • URLをコピーしました!
目次