スポーツの指導現場において、各指導者が特定の専門分野に特化することは、一見すると理にかなったアプローチです。
実際、専門化により指導の質が向上し、アスリートのパフォーマンスが向上することは多々あります。
しかし、この指導者の専門化には一方で、いくつかのデメリットも存在します。
この記事では、スポーツ指導の専門化のメリットとデメリットを具体的に考察し、現在の日本のスポーツ(特に競泳)現場についても触れてみたいと思います\(^^)/
専門化のメリット
効率が良くなる
指導者が特定の分野に集中することで、その分野のトレーニングや指導の質が上がります。
例えば、筋力向上について詳しいコーチがトレーニング指導をすると、より効果的で効率的なアドバイスができるでしょう。
高度な専門知識が活用できる
特定の分野に詳しい指導者は、その分野の最新技術やトレーニング方法を取り入れることができます。これにより、アスリートのパフォーマンスが向上しやすいでしょう。
専門化のデメリット
視野が狭くなる(部分的な最適化)
専門家が、全体の利益よりも自分の担当する部分の最適化を優先しがち。
チーム全体の戦略や他の分野との連携がうまくいかなくなり、バランスが崩れることがあります。
コミュニケーションコストの増加(縦割り構造)
指導者が自分の専門分野に閉じこもり、他の分野やチーム全体に対する関心が薄れることで、組織全体の機能不全を引き起こすことがあります。
各分野ごとに分かれていると、部門間の調整(コミュニケーション)が大変になり、チーム全体の連携がうまくいかなくなりがち。
革新的な取り組みが生まれにくい
上記の「視野が狭くなりがち」や「専門性の縦割り構造」などによって、専門知識に対する深さは向上するかもしれません。
一方で、トレーニング方法やアスリートとしての取り組みとして、革新的な「何か」は生まれにくくなっているのかも。
まとめ
スポーツ指導の専門化には、効率が上がるなどのメリットも大いにありますが、視野が狭くなりがちなどのデメリットもあります。
アスリートにとっての利益を最大限に引き出すためには、コミュニケーションを取りながら、包括的なアプローチをすることが大切ですね。
コミュニケーション能力が乏しい専門家には仕事を任せられない
指導者は、自分の専門分野に集中するだけでなく、他の専門家とコミュニケーションを取ることが必要になってくる場面があります。
アスリートのために、指導者・専門家同士がタッグを組み、情報を共有し一緒に考えていく過程が必要です。
なので、アスリートの競技力向上に貢献したいと考えて指導者としての職業を選ぶ人は、まずコミュニケーション能力というのを少しでも高めておいたほうがいいかもね〜
さいごに
現在の日本のスポーツ現場には、様々な視点からのトレーニングアプローチと、既存の悪しき習慣に対するイノベーションが不足しています。
専門化は大切ですが、それだけでは不十分です。各専門家が自身のポジションを守るための縄張り争いは、アスリートにとって本当に不毛です。
異なる分野の専門家が協力し、アスリートを全体的にサポートする体制が必要です。それと同時に、自身の専門性とは異なる分野についての「お勉強」が圧倒的に足りていないようにも思えます。(私も含めて)
専門化がもたらすメリットを最大限に活かしつつ、私たちはその枠を超える柔軟な思考とアイデアを持ち続けていきたいものです。
異なる分野の知識を取り入れ、全体を見渡す広い視野を持ち、常に新しいアプローチや技術を学び続ける姿勢が、これからのスポーツ現場にとって不可欠かもしれません。
私たち指導者が目指すべきは、アスリート一人ひとりが持つ可能性を引き出していくことです。
アスリートの夢と目標を共に追い求め、新しい挑戦を恐れず、ともにチャレンジしていきましょう\(^^)/