No.99 【論文紹介】競泳日本代表選手の負傷分析(2002~2016)

スポーツ障害項目

個人的に、興味・関心がある話題として
アスリートの「負傷・故障」について取り上げます。

選手が競技人生の中で、一度は出会うであろうアクシデントによって、
競技練習を中断せざるを得なくなる時期。
しかし、そこから不屈の精神で駆け上がった!
そういう泥臭いストーリー。大好きです。

ケガとか故障なんて、無いことが一番の理想ですが…。

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論文紹介

Injury trend analysis in the Japan national swim team from 2002 to 2016: effect of the lumbar injury prevention project
著者:Yuiko Matsuuraら
公開日:2019年11月6日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6863674/?report=classic

内容:競泳日本代表選手(2002~2016)を対象にケガ故障の発生率を調査

(調査対象)
2002年〜2016年の間に
オリンピック・アジア大会・ユニバーシアードの競技会に
日本代表選手として参加した者を対象としました。

(調査方法)
488名の水泳選手が対象となりました。
性別・年齢・専門種目
そして、身体部位の負傷発生をデータとして集計。

結果:負傷の発生率は、1位(腰)/ 2位(肩)/ 3位(膝)/ 4位(足首)

・調査した15年間で、「腰の負傷率」は減少傾向にあった。
・調査した15年間で、「肩の負傷率」と「膝の負傷率」は増加傾向にあった。
・背泳ぎ選手では、「肩の負傷率」が明らかに高かった。
・負傷率の高い因子としては、「女性」と「年齢層の高さ」が見られた。

結果②:腰痛予防プロジェクト(2008年より開始)の有効性について

競泳日本代表選手にとって、最も多かった「腰痛」
それを防止するプロジェクト(The lumbar injury prevention project)を開始したのが、
2008年からのようです。
このプロジェクトは、水泳に深く関わっているトレーナー(理学療法士)の方々が考案したようです。

腰痛予防エクササイズの内容としては、
フロントブリッジ・サイドブリッジ・ヒップリフトなど。
論文中のエクササイズ紹介リンク↓
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6863674/figure/F1/

そのプロジェクト開始の前後で「腰痛発生率」を見ると、
明らかに腰痛が減ったとのことです。
統計的にも、有意に減少しました。と書かれています。
(プロジェクト開始前)23.5%⇨(プロジェクト開始後)14.8%

論文中の図↓
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6863674/figure/F3/


私見まとめ

今回ご紹介した論文から読み取れることは、
①腰痛予防エクササイズの効果はありそう。
②腰痛は減ったが、全体的な負傷は変化していない。
 2002~2008年(43%) ⇨ 2009~2016年(45%)

私個人的な現場からの【感覚値】を述べます。
「腰痛」スイマー⇨泳ぎ過ぎ。水中練習の量・頻度が高い。
「肩痛」スイマー⇨MAX練習やり過ぎ。水中練習の質・頻度が高い。
「膝痛」スイマー⇨バーベルを担いで実施する「深くしゃがむスクワットフォーム」を知らない。
「足首痛」スイマー⇨ジャンプ動作&着地動作が安全に出来ない。

私は個人的に、このような風に感じています。
かなり極端な私見かもしれませんが…。

水泳の練習によって、負傷・故障が発生してしまう。
泳ぎたいのに痛くて泳げない。
そのようなコトを減らしていくための活動も今後取り組んでいきたいと思っています。


論文中には、統計データをグラフにした図が載せられています↓
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6863674/figure/F2/

統計に関する知識が乏しいので、
この数値が「どうなのか?読み取れることは何か?」については良く分かりません。
詳しい方いましたら教えて下さい。

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