速度の落ちやすいところを頑張れると良いタイムにつながるかも【競泳100mレース分析】

世界水泳ブダペスト2022も終盤に差し掛かってきました。

一方で、日本国内の多くの学生の皆さんは、ここからが夏本番となる時期ですね。みなさんがチカラを発揮できるように応援しております。

どうしたら、自分が練習してきたものを余すことなく発揮できるか?という視点で一つの材料を提供したいと思います。

本記事では、競泳レースの分析を利用して、レースのペース配分について考えを巡らせてみたいと思います。

目次

50mごとのラップタイムだけでなく、ラスト5mの泳速度にも注目してみよう!

✅100m競技では、バタフライ・背泳ぎ・平泳ぎにおいて、ラスト5m(95-100m)の泳速度がレース中盤(65-95m)の泳速度よりも遅くなる傾向が見られる。

※ヨーロッパ選手権2018の決勝レースすべてを分析の対象とした研究論文です。

Daniel A. Marinhoら:2020

種目と距離によって優勝する人のレースパターンは異なる

✅後半が速い人ほど勝率が高い。

※2011-2017の世界選手権とオリンピックのレース分析したようです。SwimmingWorldに寄稿された記事。

Brian Palaschuk:2018

もちろんターン局面も大事だよ

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私見まとめ

水泳競技は、飛び込みとターン後の速度が大きくて、泳いで壁に向かうほどに泳速度が落ちていく。ということが分かっています。

この現象を克服するような戦略やペース配分が重要となるのではないでしょうか。「速度の落ちやすいところを頑張るとコスパいいんじゃね?」というのが本記事の主張です。

このことから、速くなるための戦略としてざっくり2つ挙げると

☑スタートおよびターンにおいて、より大きな速度を発揮できるように練習する。

☑壁に向かって、泳いでいく速度を落とさないように練習する。むしろ壁に向かって速度を大きくしていくような練習をする。

こんなことが考えられます。

最高速度を発揮できる能力と、最高速度よりも少し下の速度をそれなりにキープする能力というは別物であるということが認識としては大切にしたいところです。

トップを狙っている競技現場では、当たり前のように感じられるかもしれませんね。

壁に向かって泳速度が大きくしていく」という現象が実際にはおきなくても、そのようなペース配分を意識的に実践する、ということが重要となるかもしれません。

特に、疲労によって減速しやすいバタフライなんかはとってもダイジね。

ジュニア指導の現場でも上記のようなペース配分的な戦略を仕込んだほうが良いのか?

この課題は悩ましいところです。

語弊をおそれずに述べると、ペース配分的な練習というのは、競技への最適化とも言えるかと。つまり最終的な微調整の意味合いが強いです。

もちろんジュニア期からペースを配分して練習するというのは大切だと思います。それと並行して様々な種目へのチャレンジと最大速度への追求も大切。

最後に

玉砕覚悟で前半からカチ込むタイプの人は、ものすごく伸びしろがありますのでご安心くださいw

器の大きなヒトになりたいね。

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