大腿四頭筋(もも前)とハムストリングス(もも裏)の筋力バランス(H:Q)について

トレーニング指導の現場にいるとよく聞く言葉の一つに

「もも前ばっかり使うな!もも裏で動け!」

というフレーズがあります。おもにコーチや指導者が、選手へ向けて発する言葉です。

もも裏(ハムストリングス:Hamstrings)、もも前(大腿四頭筋:Quadriceps)

この両者の筋力に対する比率を「H:Q比」といいます。

ハムストリングスと大腿四頭筋の筋力バランスが悪いと何が起こるのか?

また、アンバランスを改善するための方法は何かあるのか?

考察してみます。

目次

H:Qについて

「もも裏」と「もも前」の筋力バランスが悪いことによって、

もも裏(ハムストリングス)のケガ損傷を負う可能性が高まることが報告されています。

2009:S S Yeungら)(2008:Jean-Louis Croisierら

具体的には

ハムストリングスの筋力:大腿四頭筋の筋力=0.6:1

つまりハムストリングスの筋力が大腿四頭筋の60%以上の強さであると、ケガ発生のリスクが低いという報告がある。

1984:T M Heiserら

※大学生サッカー選手におけるケガ発生についての報告


しかし、H:Q比が0.6を基準として測定方法は、不適切ではないかという指摘もあり、別の測定基準の提案が現在でも議論されているようです。

2019:Cassio V. Ruasら

「H:Q比」は、どのように測定されているのか?

「H:Q比」の測定は、多くの研究でダイナモメーターという機器で測定されています。

われわれ一般人は、現実的に「H:Q比」を測定しようとすると、専門の機関へ出向く必要があります。

つまり、H:Qのバランスは

多くの研究で報告されている内容として共通項目をざっくり言うと、

ハムストリングスの相対的な「弱さ」がアンバランスを引き起こしている。

と考えられます。

もも裏(ハムストリングス)を鍛える方法

「H:Q比」のアンバランスを改善するためには、ハムストリングスの筋力向上が重要な要素である。と言われています。

さらに詳しく言うと、「ハムストリングスのエキセントリックトレーニング」による筋力向上が膝関節の機能改善に効果的であると指摘されています。

2018:Cassio V Ruas

では実際に、ハムストリングスを鍛える方法について考えてみます。

あえて一つだけエクササイズをやるとしたら

「グッドモーニング」というトレーニング種目をオススメします。

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