伸び悩んでいる選手に伝えたい、「何をやるか」よりも「どのようにやるか」について

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「同じメニューをやっているのに、なぜ成果が出ないんだろう?」

先日、水泳選手と食事をしながら、じっくりと話をする機会がありました。
選手は真剣なまなざしで、こう語りました。

「数年前のあのときの練習が一番良かった気がします。あの頃のメニューをもう一度やれば、またタイムも戻るんじゃないかと」

その選手の言葉を理解できます。
結果が出たときの記憶って、強烈に焼き付いているものですよねぇ。

で、そのあとにこう問いかけました。

そのときの練習、どんな気持ちと姿勢でやってたかな?


目次

同じメニューでも、成果は変わる

身体は、時間と共に確実に変化します。
筋力、柔軟性、疲労の回復スピード。きっと若い頃とまったく同じ体ではないでしょう。

でも、精神面はどうか?
考える力、感じる力、自分と向き合う力
そこは、重ねるほどに伸びる領域です。

つまり、こういうことです。

「何をやるか」よりも、「どのようにやるか」。

以前と同じことを繰り返しても、
望むような結果は得られないでしょう。

それどころか、「自分の感覚」や「心の状態」を無視した練習は、ケガや自信喪失にさえつながります。


「何をやるか」よりも「どのようにやるか」

「三人のレンガ職人」の話。
建築現場で同じようにレンガを積む三人の職人に「何をしているのか」と尋ねることから始まります。

一人目は、「見りゃ分かるだろ!レンガを積んでる」
二人目は、「私の担当は、レンガで壁を作ること」
三人目は、「歴史に残る、大聖堂を建ててるんだ!」

同じ作業に取り組んでいても、その背後にある目的意識の有無やその高さによって、個人の感じ方、仕事への姿勢、そして最終的な成果が異なるのではないかと考えられる点です。

これは、”夜と霧”の著者ヴィクトール・フランクルが提唱した「ロゴセラピー(意味療法)」に通じるものがあるなと思いました。何かに「意味」を見出した時に、本当に強い力を発揮できるんだよね。

ただレンガを積むんじゃなくて、その先に「何」があるのか。
水泳の練習も、ただ泳ぐだけじゃなくて
「このドリルは、どんな泳ぎに繋がるんだろう?」
「このキツい練習は、どんな自分になるために必要なんだろう?」 って考えてみる。
きっと、トレーニングの質も、継続する力も変わるはず。

みんなにとっての「大聖堂」は何かな?

私が今まで多くの選手を見てきて、成果を出している人に共通していることがあります。
それは、練習への“向き合い方”が違うということ。

  • 受け身でやるか?
  • 自分の意志でやるか?

たとえば、同じメニューでも…

  • 「言われたからやっている」のか
  • 「今の自分に必要だと感じて選んでいる」のか

この差は、1日では現れません。
でも、1ヶ月、半年…時間が経つほどに、明らかな“差”になります


「どのようにやるか」は、すべての人に関係がある

これはスポーツ選手だけの話ではありません。
指導者、トレーナー、ビジネスマン、多くの人に通じることです。

勉強でも、仕事でも、トレーニングでも
「何をやればいいか?」とすぐに正解っぽいものを探す人は多いけど、
本当の成果は「どんな姿勢で取り組むか」によって生まれる。

コーチとして大切にしている視点の一つです。


今日からできる、たった一つの問い

明日から、いや今からでも始められるシンプルな問いがあります。

「今、自分はどんな気持ちで取り組んでいるか?」

この問いを、毎日の練習や仕事の前後に立ち止まって投げかけたい。
そして、少しでも「能動的」な自分を選び直してみる。

きっとその積み重ねが、
自分自身の限界を超える確かな力になるはずです。


“What”よりも”How”

「以前と同じこと」を繰り返すより、
「今の自分がどう向き合うか」を更新していく方が、成長に近づくはずです。

技術や体力は、一過性な側面もあるかもしれません。
ですが、姿勢と思考は、鍛えれば一生モノです。

だからこそ、これからも問い続けていきたいものです。

「今の自分は、どのように取り組んでる?」

答えは一瞬じゃ出ないかもしれない。
きっと、問い続ける姿勢が、未来のあなたをきっと強くします。

今日も、良い姿勢で取り組んでこ。

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