呼吸制限(ハイポ)トレーニングって何のためにやるのかな?

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「ハイポ練習って、何の意味があるの?」先日、こんな疑問をぶつけられました。

水泳の練習における「ハイポ」とは、呼吸制限のトレーニングを指します。
例えば、「ハイポ3」という表記の場合、腕のかき3回やったら呼吸を1回やるということを意味します。

特に、クロールにおいて「ハイポ奇数」は左右両側で呼吸をすることとなります。

このようなトレーニング内容が、どんな意味があるのか?

みんなで一緒に考えてみよう\( ˆoˆ )/

ハイポ練習ってなに?

ハイポキシック・トレーニング(hypoxic training)の略称です。

ハイポキシックとは、低酸素状態という意味。

呼吸の回数(頻度)を制限して、息を我慢させながら泳ぐ練習を指します。

目次

この記事を通して読者に伝えたいこと

ハイポ練習には大きく2つの価値があります。

ひとつは「呼吸筋トレーニング」。
もうひとつは「呼吸動作を左右バランスよく整える」こと。

苦しいだけの練習と思われがちですが、意味を理解すれば「呼吸筋トレーニング」と「泳ぎの左右差改善」という、どんなレベルのスイマーにも役立つ要素が詰まっています。

何となく取り入れていたトレーニング内容を見直すことで、長期的に何かが変わる可能性はあるかも知れませんね。

研究論文の紹介

題名:Controlled Frequency Breathing Reduces Inspiratory Muscle Fatigue
著者:Burtch, Alex Rら
公開日:2017年5月
https://journals.lww.com/nsca-jscr/fulltext/2017/05000/controlled_frequency_breathing_reduces_inspiratory.15.aspx

競技スイマーを対象に、「意図的に息継ぎ回数を制限する練習」の効果を検証した研究。

主な結果:

・全力で200ヤード泳ぐと、呼吸筋力(MIP)が約12%低下した。
・4週間のハイポ練習により、この低下はほぼ消失した。
・ただし、水泳タイムや有酸素能力の改善は見られなかった。

✅継続的なハイポ練習によって「呼吸筋の疲れにくさは向上したが、パフォーマンス自体は変わらなかった」という結果でした。

主な実験内容:

▶︎対象者:
– 18〜22歳の競泳選手25名(最終的に20名が完遂)

▶︎グループ分け:
– ハイポ群:7〜10ストロークに1回息継ぎ(50mで2〜3回だけ呼吸)
– コントロール群:3〜4ストロークに1回息継ぎ(50mで8〜10回呼吸)

▶︎トレーニング内容:
– 期間:4週間、週4回
– メニュー:毎回12本×50mのセット練習

私見まとめ

ハイポ練習を「ただの我慢大会」として捉えてしまうのは、とてももったいないね。

呼吸制限トレーニングの本質的な効果は2つあると考えています。

呼吸筋のトレーニング

水泳は腕や脚だけでなく、「呼吸する筋肉」もパフォーマンスに貢献します。
ハイポ練習によって呼吸の回数を制限し、呼吸を我慢することは、いわば呼吸筋の持久力トレーニング。
呼吸に余裕が生まれると、泳ぎ全体の安定感も増していくはずよ。

泳ぎのクセの改善

特にクロールでは、呼吸動作のクセがフォームの左右差につながりやすい。
例えば、右ばかりで呼吸する選手は、身体の回転や腕の動きにも左右差が現れがち。そこで、ハイポ奇数を取り入れることで両側で呼吸する習慣をつけ、左右のバランスを整えることができるかも。
この効果はタイムにはすぐ現れないかもしれませんが、長期的にはフォームの安定や怪我の予防につながるね。

つまり、ハイポとは「呼吸の強さ」と「泳ぎのバランス」を同時に育てるための練習。
苦しさを避けてしまえば得られない力が、そこには確かに存在します。だからこそ、ただの我慢ではなく“意味のある負荷”として取り組むことが大切なのです。

「いつもやってるやつ」に一味加えてみる

私たちって、つい「新しいトレーニング方法」とか「最新の〇〇」に飛びつきがち。
でも、成長のヒントは、
「毎日当たり前にやってること」の中にあるのかもだね。

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この記事を書いた人

山﨑 裕太のアバター 山﨑 裕太 コーチ

アスリートのコーチングが仕事
オリンピック選手指導
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