今記事はエッセイです。つれづれなるままに書いていきたいと思います。
テーマは「トレーニングにおける個別性」
なぜ書こうと思ったのか?
ふと、「一人ひとりに合ったトレーニング方法!」って、なんだろうな。みんながみんな違ったことをしなくちゃいけないのかな。って脊髄反射的に思ったことを、少しでも整理して書き残しておこうと考えたからです。
2つの視点から考えてみる
スポーツ競技に取り組む人が、トレーニングや運動をする。という行為において個別性を考えるとき、私は2つの視点を持つようにしています。
あっち側からの視点
ここで言う「あっちがわ」とは、トレーニングやスポーツ競技からの視点のことです。
運動パフォーマンス、つまり[競技の要素]や[競技力]や[競技レベル]を指しています。
こっち側からの視点
ここで言う「こっちがわ」とは、個々の人間としての視点のことです。
個体差、つまり「みんなちがってみんないい」ということを指しています。
「あっち・こっち」具体例
水泳大好きおじさんAがいるとします。
▼おじさんAは、50mクロール(BESTタイム22秒8)で22秒5を目指しています。
※おじさんAの身体的スペックはあえて設定しません。
あっち(競技)視点
50mクロールで22秒5を出そうとすると、極端な話ですが
腕を回すのが10回だけですと進む頻度が少ないので高い速度を保てません。逆に100回も腕を回してしまうと効率も悪く推進の邪魔をしてしまい遅くなるでしょう。ストロークレート(テンポ)が平均的に1.5秒かかってしまうと厳しいでしょう。25m通過タイムで11秒かかってしまうと厳しいでしょう。15m通過タイムが6秒かかってしまうと厳しいでしょう。
このように考えていくと、高めるべき能力要素が明確になってくるのが分かります。
番外編
例えば、50mクロールで29秒台を出そうとすると、かなりザックリした言い方ですが「手足を30秒間動かし続ける能力」を高めることができれば達成にかなり近づくでしょう。
細かくて高度な技術を獲得しようとするよりも、大きな力をより長く発揮できる能力を伸ばすことが優先順位として高いように感じます。
こっち(個体差)視点
おじさんAは、上半身の筋力および持久力と比べると、脚の筋力および持久力が弱く(+ジャンプ力も低い)、さらに股関節や肩関節複合体の可動域も狭いです。
脚の筋力および持久力が上半身と同等に高まってくると、クロール泳において、大きな力で手足のタイミングのとれたまま泳ぎ切ることが期待できます。
また、柔軟性が高まり、適切な姿勢を取ることが容易になると、スタート動作などで大きなチカラを一気に発揮する能力に貢献します。
まとめ
あっち(競技)視点は、目標に対して「減点方式」「なぜ目標が達成できていないのか?」
こっち(個体)視点は、目標に対して「加点方式」「なにをしたら目標に近づくのか?」
このようにも考えられます。
つまり何が言いたいのか
まぁ、結局は頑張ることに変わりはないのですが、
競技力向上を目指すという過程は、トレーニングにおける「狙いありき」で考えていったほうが良いのではないかということです。
その上で、2つの視点を行き来しながら進めていく。
トレーニングの狙いを考えていくと、暗闇を手探りで進むことがなくなり、目の前の一つ一つに集中して取り組めるようになるかもしれません。
そして結果的に、無理なトレーニング頻度や内容の「やりすぎ問題」も減っていくのではないかと感じます。また、「それ今のあなたに必要なの!?」っていう問題も減るかもしれません。
結局のところ、「今の自分」から少しずつ歩みを進めていくことしか無いのだと思いますし、それが近道なのでしょう。
めっちゃ余談
なんでもかんでも「目的を定めろ!」みたいな感じだと疲れます。ごめんなさい。