競泳選手から、以下のようなご質問をいただきました↓
「レースの前日にサウナに入っても良いでしょうか?」
【運動とサウナ】に関する研究論文を紹介しつつ、回答をブログ記事にしていきたいと思います。
サウナーの方々には、ツラい結果をお伝えしなくてはなりません。。
論文紹介
題名:Effects of Postexercise Sauna Bathing on Recovery of Swim Performance
著者:Sabrina Skorskiら
公開日:2019年12月22日
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31869820/
論文結論:レース前日は「サウナ入浴」やめといたほうが良さそう。
☑高強度トレーニング後の「サウナ入浴」は、翌日の水泳パフォーマンス回復を妨げる可能性があります。
☑サウナ入浴では、プラセボと比べると、50m×4本のスプリントタイムが2%以上も低下していました。
☑パフォーマンス低下が明らかであったのは実験参加者20名のうち15名でした。
※タイム計測は手動のストップウォッチです。
論文内容:サウナ入浴とプラセボとでのクロスオーバー実験
■20名(男性17名/女性3名)の競泳選手とトライアスロン選手が実験に参加しました。
■各選手が2回の実験を完了させました。ひとつは「サウナ」テスト、もう一方は「プラセボ」テスト。
⇨サウナ(80-85℃):8分間の入浴、5分間の休憩(室温)×3回。冷水の使用(交代浴)は無し。
⇨プラセボ(28℃):35分間の安静。その間、オイルを全身に塗る(回復に効果的だと言われて差し出された)
※どちらのテストでもミネラルウォーター1.5Lを飲むように勧められました。
■実験の流れは、
⇨午後4時に50m4本オールアウトテスト、その後100m10本のトレーニング、午後6:30にサウナまたはプラセボ介入。
⇨翌日の午前7:00に50m4本オールアウトテスト。
私見まとめ
紹介した研究論文では、翌日のパフォーマンス回復に対する「サウナ」の影響を調査した内容でした。
翌日に高強度運動を控えているという状況では、サウナ入浴を避けておいたほうが良さそうです。
ですが、サウナには免疫に関与する細胞の活性化作用が確認されています。
(2013:Wanda Pilch)
様々なメリットもある「サウナ」です。
繰り返しになりますが、
パフォーマンスを回復させたいレース前日という限定的な状況では、「お風呂」も長い時間の入浴は避けたほうが良さそうです。
「お風呂」も「サウナ」と同様に、熱刺激が負の効果を与える可能性が考えることが出来ます。
ほんの少しの時間であれば、血流アップによる正の効果が期待されるかもしれません。
※このあたりの研究も発表されているかも。今後、調べてみたいと思います。
めっちゃ余談
しかし、「前日のサウナはダメだ」と言われても、「私は20名中の15名では無い。5名の方だ。」と考えたい人もいます。
さらには、レース前日に「ゲン担ぎ」のような精神安定の儀式として取り入れている人にとっては頭を抱える問題となります。
ここで考えるべきは、
ゲン担ぎをすることによる精神安定を取るか?
パフォーマンスダウンの可能性がある行為をやめとくか?
究極の2択です。
まぁ「ゲン担ぎ」をサウナにしないで、別の何かへ置き換えられたら良いですね。
遠征先でもサウナ行ってるの?宿泊ホテルには無いよね?