速く泳ぐためには「大きな推進力」を生み出すための力(フォース)と「小さな抵抗」を実現するための形(フォーム)の両立がたいせつです。
しかし、多くの人は「水泳は美しいフォームこそが速さの鍵だ!」くらいの感じで、形(フォーム)ばかりに意識を奪われてしまいがち。
形ばかりを追いかけて、動作を切り抜いた静止画を見ていても力(フォース)は分からないよ!
なので今記事では、フォーム(形)と、フォース(力)について考え方を整理していきたい。みんなも考えるきっかけにしてみてね(^^)
フォーム(形)と、フォース(力)についてを説明するよ!
フォームとフォースを、車の「車体」と「エンジン」に例えてみよう。車体をフォーム、エンジンをフォースとして考えてみてね。
車体がいかに流線型であっても、エンジンがなければ前に進むことはできません!
逆に、エンジンが強力であっても、車体が抵抗を大きく受けていれば、スピードは上がらない。
水泳もそれと同様に、どんなに美しいフォームであってもフォースがなければ速く泳ぐことはできないし、フォースが大きくても抵抗が大き過ぎればスピードは上がらないよね〜。
水泳の「ハイエルボー」テクニックで考えてみよう!
まずは、ここで言う「ハイエルボー」を定義するよ。
腕の動きにおける「キャッチ(Catch)」局面で、手部は落としていくが「肘は高く保つ」技術のことを指します。
ハイエルボーでのキャッチ動作を実際にやってみると分かるかと思いますが、「肩関節を内旋」するような力が発揮されることになる。
では、この「ハイエルボー動作」を画像で切り抜いて見てみよう↓

美しいフォームだね!「フォーム(形)至上主義」の指導者であれば、この画像から当然のようにハイエルボーのフォームを目指させるでしょう。
では次に、このハイエルボーの画像から「フォース(力)」を考えてみると、どうなるかな?
動作を切り抜いた画像から語るだけだと、「キャッチ動作ではハイエルボーをするべきだ!」みたいな論調になる。
その言葉だけを素直に受け取っちゃう選手は、キャッチ=肩を内旋させる力となる。
そして”肩を内旋させる力”を発揮したまま、次の動作(プル局面)へ移行しちゃう。
それって正しいのかな?

フォーム(形)を作ることと、動作としてフォース(力)を発揮することはかなり異なるよね。
筆者(山崎)は選手にどう伝えているか?
フォームとフォースの矛盾を両立させて動かしましょう。
例えば、上であげた「ハイエルボー」の場合、
内旋したフォームのまま、外旋させるフォースで動作をする。
という説明になります。
フォームとフォースを両立する。そして矛盾を克服する。どっちかだけじゃダメ!筋肉の引っ張り合いが身体をつなげてくれるのよ。
うん。意味わかんないし難しいよねぇ〜わかる!そんな人は、何度か読んだら忘れて!いつか思い出したら役に立つ日がくると思うからw
まとめ
水泳におけるフォームとフォースの役割
さて、おさらいです。
競泳は、水の抵抗を克服しながら前へ進む運動です。
そのため、抵抗を最小限に抑えようとするフォームは、速く泳ぐために重要な役割です。
しかし、抵抗を減らすことだけが競泳の条件ではないよね!
身体を前へ進めるための推進力を生み出すには、手脚を加速させるようにうごかす必要があるよ。
「フォーム」と「フォース」の両立がたいせつ!
水泳指導者の中には、フォームを完璧にすることに固執するあまり、フォースを犠牲にしてしまうケースも少なくない。
美しいフォームは水の抵抗を減らし、効率よく前に進む泳ぎを実現する上で重要!
しかし、フォームを意識しすぎるあまり、水に対して推進力となるフォースを生み出すことができなくなるよね。
伝えたいこと
良い子のみんなは、先生やコーチとしっかりディスカッションして、
「良いフォーム」と「適切なフォース」を両立していくんだよ!
矛盾を克服することが上達へのカギ!!
フォームとフォースの関連記事
以前の記事では、フォームとフォースを、キネマティクスとキネティクスとして説明していたよ。
だけどマニアックすぎたのか伝わらない感じだったので、改心して分かりやすい記事を書いていきたいと思いますw


