小学生の頃は大会に出るたびにベストを更新していたのに、高校生になってからベストが出ない…
どうしてだろう。
競技を始めたばかりの頃は、みるみるベスト更新していたのに、今となってはベストどころか伸びすら感じない。
この現象の理由について、考えてみたいと思う。
みんな、遅かれ早かれ「停滞」は訪れます。その上で、伸び続けるために大切なことを一緒に考えていきましょう。
適切なタイミングで、適切な刺激を与えられているかどうか。
まず現実を受け入れよう:なぜベスト更新は難しくなるのか
グラフで考えてみましょう。
横軸を時間(年数)、縦軸をパフォーマンス(タイム)とする。

例えば、選手コースに入った最初の1〜3年くらいは面白いほど伸びます。練習頻度も上がるし、体も成長するし、すべてが新しい刺激なので当然ですね。
しかし、その後の3年間くらいで成長カーブは明らかに鈍化する。そしてそれ以降、多くの選手が「壁」にぶつかる。
これが自然な現象です。
問題は、この段階で「同じ取り組み」を続けてしまうこと。人間の体は賢いので、同じ刺激には慣れてしまいます。
「レベル別」で理解する刺激の適正化
私がよく使う例え話があります。
レベル10のポケモン(例:50mクロール40秒の選手)と
レベル100のポケモン(例:50mクロール25秒の選手)

この2匹のポケモンは同じトレーニング内容で良いと思います?
ウエイトトレーニングをするにしても
レベル10の選手にスクワット100kgは、ちょっと負荷高すぎるかも。
逆にレベル100の選手に5kgのダンベルスクワットでは物足りないかも。
当たり前のことなのに、現場では意外とこの「当たり前」が軽視されがち。
大事なのは「いつからウェイトトレーニングを始めるか」ではなくて、「その選手の現在地に最適な刺激は何か」を判断すること。
その人が今どういう段階なのかを、トレーニングを処方する人たちはちゃんと見極めないといけないよね。
よくあるパフォーマンスピラミッドのお話

多くの指導者は、このピラミッドを平面で見て「まずは土台の可動域、次に筋力、最後に技術」って一方通行で考えがち。
でもこの考えでは足りないです。
このピラミッドを今度は上から眺めてみてください。同心円状に見えませんか?

つまり:可動域→筋力→技術→可動域→筋力→技術…
ぐるぐる回ってやっていかないとダメよっていう話。螺旋階段的に取り組んでいきましょうね!ってことです。
例えば:
新しい技術を獲得したいとき、さらなる可動域が必要になる
筋力が向上すると、獲得可能な技術が増える
そうやって、すべての要素が相互に強化し合う。この循環こそが、継続的成長に必須だね。
私見まとめ
ベストタイムは、タイムが上がってくればくるほどに短縮が難しくなります。
そういった現場でありがちな「指導の落とし穴」についてを記事としてお送りしました。
私自身も、かつて画一的なプログラムを適用していた時期があったなぁ〜と反省しながら書いています。
・年齢だけでトレーニング内容を決めて、個々の発達段階を見落としがち
・「ウェイトはダメ」「技術だけでええ」みたいな極端な判断をしてしまう
・停滞期の選手に「もっと頑張れ」としか言えない
このような多くのスポーツ現場を見てきた経験から痛感したのは、
同じ刺激を続けるだけでは、選手の成長は必ず頭打ちになるということ。
選手の「今のレベル」ではなく、「次に必要な刺激は何か?」に向き合う視点がなければ、
指導者はただの練習メニュー提供者で終わっちゃう。
きっとそんな時に求められるのは、「成長のナビゲーター」になることなのかもね。
選手の現在地を正確に把握し、
その上で最適な次の一手を提案する「診断力」を持っていきたい。
こういった診断的な視点が、選手にとっての「気づき」と「成長の再設計」を生むと考えています。
とはいえ、診断しても「今じゃない」とか「お前じゃない」とかってケースもあるので、そこは選手との信頼関係とか考慮しないとですけどねw
パフォーマンス診断は、技術
勘違いされがちですが、選手の状態を見極めるのは「経験豊富な指導者の勘」ではありません。
きっと誰もが学び、鍛えることのできる思考の習慣だね。
たとえば、
「なぜこの選手は、この動作で躓いているのだろう?」
「この競技歴なら、どんな刺激が必要だろう?」
「この選手の過去の成長パターンが、今の停滞に影響していないか?」
こういった問いを日常的に持つことが、
「指導の解像度」を高めていくのかもしれない。
選手の感情にただ共感するのではなく、論理と経験で次の一手を読み取ろうとする行為。
停滞期を迎えた選手に「頑張れ」じゃなくて「今のステージから次に進むための具体的な道筋」を示せる指導者になっていきたいね。
そして選手の皆さんも、停滞期を「自分の限界」だと思わないで。それは「次のステージへの招待状」だから。
選手もコーチも、みんなでブチあげてこ。

