「水泳選手は扁平足(へんぺいそく)が多い」 「扁平足の方が水の抵抗が少なくて有利だ」
プールサイドで、そんな噂を耳にしたことはありませんか?
しかし、スポーツ科学の知見と、現場でのコーチング経験から考えると、扁平足を放置することはパフォーマンスアップの大きな妨げになる可能性があるなと感じています。
今記事では、なぜ扁平足だとパフォーマンスに影響するのか、そして今日からできる「足裏アーチ」の改善方法について、みんなで考えてみましょう。
そんなざっくりとしたテーマで記事を書き進めていきたいと思います。誰かの役に立てたら嬉しく思います。
そもそも「扁平足」とは?なぜ水泳選手に多いのか
まず、基本的な定義から確認しましょう。
扁平足(Flat feet)とは 足の内側にある「土踏まず(内側縦アーチ)」が潰れて低くなり、足の裏全体がぺったりと地面についている状態のこと。
一般的に、足のアーチは衝撃を吸収する「クッション」と、蹴り出しの力を伝える「バネ」の役割を果たしています。
水泳選手に扁平足が多い理由
陸上競技とは異なり、水泳は「浮力」のある環境で行うスポーツです。重力による負荷が足裏にかかりにくいため、アーチを支える足底の筋肉が発達しにくい(あるいは退化しやすい)環境にあります。これが、水泳選手に扁平足が多いと言われる主な原因の一つです。

扁平足と筋力パフォーマンスとの関係性について
測定した扁平足の臨床的重症度は、足関節および腰椎伸展筋の筋力低下と相関していた。
この結果から、学童期の扁平足では、足関節と腰椎伸展筋の強化運動が必要であることが示唆された。
ジュニア水泳選手に特徴的な「舟状骨の高さ」の違い
ジュニア期(12-18歳)のエリート水泳選手の「舟状骨の高さ」は、同年齢層および競技レベルの他の競技選手よりも低いことが明らかになった。

扁平足の改善に対するショートフットエクササイズ
では、どうすれば良いのでしょうか?扁平足の改善に効果的であると示されているのが、「ショートフットエクササイズ(Short Foot Exercise)」というものがあります。
ショートフットエクササイズのやり方
特別な器具なしで、今すぐ試せるトレーニングです。
- 椅子に座り、裸足になって足を肩幅に開きます。
- 足の指を曲げないように注意しながら、親指の付け根(母指球)を踵(かかと)に近づけるイメージで力を入れます。
- 土踏まずがグッと盛り上がった状態で5秒キープ。
- これを10回〜20回繰り返します。
※ポイント:指を丸めて(グーにして)アーチを作るのはNGです。「足裏の筋肉だけ」を収縮させる感覚を掴むのが重要です。
ランダム化比較実験のメタアナリシス分析の結果、ショートフット・エクササイズは、扁平足を有する人の足部アライメントに良い影響を与えるため、他の介入よりも多くの利益をもたらす可能性がある。
(2022:Ching Huangら)
アーチを作る秘密兵器「バランスメーカー」
ショートフットエクササイズは非常に効果的ですが、「指を曲げずにアーチを作る」という感覚は、慣れていない選手には非常に難しいものです。
そこで、私が指導現場でおすすめしているのが「バランスメーカー」を活用したトレーニングです。


私見まとめ
扁平足は運動パフォーマンスに悪影響を与える傾向がありますが、適切なエクササイズやトレーニングによって改善が期待できます。
スポーツにおいて、足部は見過ごされがちですが、実はこれが選手たちのパフォーマンス向上において重要なカギを握っている可能性はあります。足には体全体の安定性や動作の効率に大いに影響を与えるポテンシャルが秘められています。
ウォーミングアップの時間を有効に活用し、足部への配慮を怠らないように。
ショートフットエクササイズやバランスメーカーなどによる足の筋力トレーニングを日々のウォーミングアップルーティンに取り入れ、これを継続的な習慣として定着させると良いでしょう。

