高強度運動のインターバルで、1分間あったらに何をすべき?という、とってもニッチなテーマで記事を書いていきますw
きっと、選手の練習中におけるレスト間でも役立つ知見だと思います。それと、この記事を書いておこうと思った「きっかけ」は競泳のスキンレースなるものがあります。※最下段で書きます。
レストが1分間あったら、
「とりあえず座って休ませる」「とりあえずアイシングで冷やす」。もし、その「とりあえず」の選択が、次のラウンドのパフォーマンスを下げてしまっているとしたら?
日々のトレーニングおよびパフォーマンスの質を少しでも高めるためにも、より良い選択をしていきたいね。みんなでアップデートしてこ。
この記事を通して読者に伝えたいこと
試合や練習の合間の「たった1分」という時間は、単なる休憩時間じゃないね。次のパフォーマンスを決定づける「戦略的」な時間だと考えてみよう。
その1分間で何を選ぶかによって、「ただ楽になる」のか、それとも「次も動ける身体を作る」のかの分かれ道となるかも。
この記事で伝えたいのは、疲労を消す方法ではありません。疲れた状態でも、競技で使える身体に戻すための考え方とその手法について。たった1分でも、目的を持って介入すればパフォーマンスは継続できるかもね。インターバルはただの休憩じゃなく、結果を左右する戦略の時間だと捉え直してみよう。
研究論文の紹介
題名: Immediate effect of ice and dry massage during rest breaks on recovery in MMA fighters : a randomized crossover clinical trial study
著者: Robert Trybulskiら
公開日: 2025年4月10日
https://www.nature.com/articles/s41598-025-97194-x
実験の背景:1分間で何ができるか?
MMAの試合は、5分間という過酷なラウンドを3〜5回繰り返す。その間のインターバルは、わずか1分。この1分間で、コーチやトレーナーは選手のダメージを最小限に抑え、次のラウンドに向けて身体を「再起動」させなきゃいけない。
実験の内容
30名のプロ・アマMMAファイターを対象に、大腿四頭筋(太ももの前側)に強烈な負荷をかける「ボックスジャンプ」を限界まで行わせた。そして、その後の1分間の休憩中に、以下の3つのパターンでリカバリーを行い、その効果を比較。
1.マッサージ(Dry Massage): 筋肉をさする、揺らす、揉むといった手技。
2.アイシング(Ice Massage): 氷嚢を直接肌に当てて、強く擦りながら冷やす。
3.受動的休息(Control): 何もせず、ただ座って休む。
測定したのは、ジャンプの継続力、筋肉の硬さ(Stiffness)、弾力性(Elasticity)、バネの力(RSI:反応筋力指数)、痛みへの耐性(PPT)といった指標。
論文結論
| 測定項目 | 最も効果が高かった方法 | 理由・特徴 |
| ジャンプの持続力 | マッサージ | 疲労による回数減少が最も抑えられた。 |
| 筋肉のバネ(RSI) | マッサージ | 筋肉の「キレ」を維持する効果が最強。 |
| 筋肉の柔軟性維持 | マッサージ | 筋肉が硬くなるのを防ぎ、弾力性を保った。 |
| 痛みの軽減(PPT) | アイシング | 痛みを感じにくくさせる効果は氷が一番。 |
| 総合的な回復 | マッサージ | 運動パフォーマンスの維持において圧倒的。 |
私見まとめ
パフォーマンス維持には「マッサージ」が良さそうだね
マッサージによって筋肉に物理的な刺激(圧力や振動)が加わると、細胞レベルでその刺激が信号に変換される。これが筋肉の緊張を解き、血流を促進するスイッチを入れるっぽいよ。
1分間という短時間でも、筋肉を「揺らす」「さする」ことで、脳に対して「この筋肉はまだ動けるぜ!」というポジティブなフィードバックを送っているのかもしれないね。
一方で、痛みを取るなら「アイシング」もあり
「痛み」を麻痺させ、耐性を高める効果については、やはり氷を使ったマッサージが最も優秀っぽい。でも、冷やすということは、血管を収縮させ、筋肉の温度を下げるということでもある。
筋肉は温度が下がると、粘性が増して「硬く」なる。つまり、バネとしての機能が一時的に低下してしまうんだ。格闘技のインターバルで、痛みを取りたいのか、それとも次の瞬間からフルパワーで動きたいのか。この優先順位を間違えると、アイシングが逆効果になるリスクがあることを、上記の論文では示唆しているね。
「何もしない」はセンスない
「疲れたから、じっとして体力を温存しよう」という考え方は、実は生理学的には効率が悪いことが多いっぽい。
マッサージという「外部からのポンプ」を使うことで、強制的に循環を促す。これが、1分間という極限の状況でパフォーマンスを叩き戻す鍵なんだろうね。
最も重要な気づきは、「ただ座って休むだけ」が、すべての指標において最も回復が遅かったということ。1分間という時間は、何もしなければただ疲労が蓄積していくだけの時間になってしまうんだねぇ。
競泳「スキンレース」への応用について
今記事を書き残しておこうと思った主題である「スキンレース」というものへの応用を述べておきます。
スキンレースとは?
スキンレースは、50m決勝を3ラウンド制のノックアウト方式で行う競技です。各ラウンドは4分間隔で実施され、スタート合図から次ラウンドの「Take your marks」までが4分となります。第1ラウンドは上位4名、第2ラウンドは上位2名が進出し、第3ラウンドで最終順位を決定します。同記録の場合は順位が確定するまで追加ラウンドを行います。選手は次ラウンド30秒前までに退水する必要があり、違反すると失格となります。第2ラウンド以降は、選手1名につき2名までの付き添いが制限付きでプールサイドに立ち入ることができます。
スキンレースでの考え方
スキンレースは、短時間で全力を何度も再現できるかが問われる競技。
スタートから次ラウンドの「Take your marks」までが4分。そのうち、実質的に身体へ介入できる時間は1分前後しかない。この限られた時間をどう使うかべきか悩ましい。
きっと重要なのは、「疲労を取ろうとしすぎない」こと。座り込んで休む、長く冷やすといった選択は、筋の反応性や神経の鋭さを落としやすい。スキンレースで必要なのは回復ではなく、次も爆発できる身体への再起動だね。退水後は、ドライマッサージや皮膚刺激で筋の硬化を防ぎ、肩・体幹を中心に軽い動的動作で水を掴む感覚を呼び戻す。呼吸を整えつつ、コーチは短く具体的な技術キューを一言添える。
スキンレースは、泳力だけでなく、レストを含めた「競技設計力」まで試されているおもろい競技だね。
セルフでもできる!「揺らす」リカバリー
トレーニングでもスキンレースでも、セット間の休憩でただ座り込むのはもったいないね。
自分の手で、使った筋肉を軽く揺らしたり、ブラブラと脱力させたりするだけでいい。それだけで、次のセットの「キレ」が変わってくるはずだよ。
みんなで現場をアップデートしてこ。

