アスリートの皆さんが筋力向上や瞬発力向上を目指すための筋トレには、”継続”と”刺激”が必要です。
そんな筋トレにも「やり方」がたくさんあります。
今記事では、トレーニングの手法について比較した研究を紹介したいと思います。
「クラスターセット法(Cluster Set Training)」と、「伝統的レジスタンストレーニング(Traditional Resistance Training, TRT)」は、筋力を高めたい人にとって重要な2つの方法です。
簡単に説明すると、
✅ クラスターセット法とは?
- 高重量(85〜95% 1RM)を1〜3回ずつ持ち上げ、セット中に短い休憩(15〜30秒)を挟む方法
- 例:90%の重量で3回 → 20秒休憩 → 3回 → 20秒休憩…を合計5セットなど
- わずかでもフレッシュな状態で高出力を繰り返せるため、神経系への刺激が強い
✅ 伝統的レジスタンストレーニングとは?
- 比較的安定した重量(70〜85% 1RM)で、連続したレップ(8〜12回)をセットで実施
- 例:80kgで10回×3セット、セット間は60〜90秒休憩など
- 筋肥大や持久力にも効果があり、長期的に筋肉の“土台”を作るのに適している
つまり、
- クラスター法=瞬発力や神経系の覚醒に強い
- TRT=筋肥大やトータルの筋力強化に強い
という、特性の違いがあると考えられます。
この2つの「どちらか一方だけを、ずっと使う」方が良いのか?時期ごとに使い分ける方が良いのか?そんな観点から、トレーニングの本質について考えを巡らせていきたいと思います。
この記事で読者に伝えたいこと
多くの水泳選手が、筋トレで伸び悩む理由は「やり方やフォームが悪い」だけでなく、「トレーニング計画を間違えている」ことが多いように感じます。
たとえば、
- まだ神経系の発達が不十分な初心者が、いきなり高ボリュームのトレーニングをしても効率は悪い。
- 一方で、神経系が整ったあともずっとクラスター法を続けても、マンネリ化した刺激により筋力が頭打ちになる。
筋トレに必要なのは「努力の量」よりも、「努力の質」です。
ただ筋肉を疲れさせるだけではダメよ。トレーニングには“戦略的な移行”が必要なんです、きっと。
研究論文の紹介(クラスターセット法 vs 伝統的トレーニング)
題名:Effectiveness of long-term cluster training and traditional resistance training in enhancing maximum strength in young adults: a systematic review and meta-analysis
著者:Jiayue Cuiら
公開日:2025年4月1日
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11996837/
✅論文結論
トレーニングを始めたばかりの初期(4〜8週)には、質の高い動作を維持しやすいクラスターセット法の方が筋力アップに効果的でした。しかし、9週以降の中・長期では、疲労を伴いながらも筋肉量を増やしやすい伝統的トレーニングの方が成果が出やすくなることがわかりました。また、年齢や性別、アスリートかどうかといった条件による大きな差はなく、トレーニング経験の浅い成人では特にクラスターセット法の効果が高く見られました。
この結果から、「最初はクラスター法 → その後TRTへと移行」という戦略が、筋力を伸ばす鍵であることが示唆されました。
研究の内容
この研究では、クラスターセット法と伝統的な筋トレ法の効果を比較するために、14本の過去の研究データを分析。対象はアスリートから一般の人まで幅広く、トレーニング期間は4〜12週間でした。系統的レビュー&メタアナリシス研究。
私見まとめ
真面目な人ほど、「努力の方向が常に同じ」になりがちです。
「筋肉痛がある=効いてる」「汗をかいた=いいトレーニング」ではなく、
“今の自分に必要な刺激か?”を問い続けることが、パフォーマンス向上への鍵です。
水泳選手の筋トレを「知的な挑戦」にしていきたいね。
トレーニングの本質は「継続」と「刺激」です
どれだけ科学的に”優れた1回の方法”であっても、継続できなければ効果は期待できませんし、スポーツのパフォーマンス向上にはつながりません。
また、どんなに継続していても、十分な刺激がなければ身体は変化しません。
忘れちゃいけないのが「休息」や「回復」の重要性
十分な睡眠、栄養補給、精神的な休息といった要素が揃わなければ、どんなに優れたトレーニング法でも充分な効果を得られません。トレーニングによる刺激を与える一方で、身体がその刺激に適応するための「時間」と「環境」を整えることも、大切な鍵となります。
「何が正解か?」という答えを探すのではなく、「今、目の前の選手にとって適した刺激とは何か?」という問いを持ち続けること。それがきっと現場で成果を出すために、トレーナーやコーチに求められる姿勢かも\( ˆoˆ )/

