【平泳ぎ】世界大会トップレベルと国内大会トップレベルの違い

breaststroke

No.127記事では、平泳ぎの「初心者」と「上級者」との泳ぎの違いについて書きました。

今回の記事では、「世界大会メダリスト」と「国内大会メダリスト」との違いについて研究されている論文をご紹介します。

目次

論文紹介

題名:Muscle Activation in World-Champion, World-Class, and National Breaststroke Swimmers
著者:Bjørn Harald Olstadら
公開日:2016年9月6日
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27618229/

論文結論:世界大会メダリストは、脚の引きつけ時間が短い!

・国内レベルは「上半身がストリームライン姿勢を作る前に、平泳ぎキック推進フェーズが開始していた」

・世界大会チャンピオンの2名は「腓腹筋と前脛骨筋の共収縮が見られなかった」

・世界大会チャンピオンの2名は「大胸筋の筋活性化が他の選手よりも長かった」

※主な部分のみ引用

論文内容:平泳ぎ25m全力泳で実験・分析!

<参加者>

・8名の平泳ぎの選手

・そのうち4名が国際大会メダリスト、その他の4名が国内大会メダリスト

<実験方法>

・ウォームアップ後、25m平泳ぎの全力泳を実施しました。

・筋電図(EMG)の測定

・モーションキャプチャにて関節角度などを観察

私見まとめ

まとめると、世界チャンピオンは国内レベルと比べると、

「抵抗の少ないストリームライン姿勢を作るのが早い」
抵抗が増加する動作局面が短時間で完結している」と言えます。

もちろん、推進力が大きいという要因もあるのでしょうが

今回引用した論文からは、「抵抗の少ない姿勢づくり」のヒントが多く感じられました。


個人的に、頭へ「スッ」と入ってきたポイントは、

■平泳ぎキックの推進フェーズ(脚を伸ばす動き)中の、僧帽筋の筋活動活性化

■平泳ぎキックのグライドフェーズ(脚を伸ばした状態)中の、大胸筋の筋活動活性化

■平泳ぎキックのグライドフェーズ(脚を伸ばした状態)中の、上腕二頭筋の筋活動活性化

この3つが、過去に担当した平泳ぎ選手たちへ、もっと注意深く見てあげられていれば…。と感じさせられました。

ブログ記事を書いていると、「過去の自分への戒め」のような気持ちになって、少し気が滅入ります。。

早速、これからの指導現場に落とし込んでいきたい気持ちです。

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