【水泳】キックによる推進力はどうやって生み出す?

ドルフィンキック
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今日は「インプットの日」と決めて、ひたすら文字を見つめる1日となりました。
近いところばかり注視しているので時間がたつにつれ、遠くの物が見えづらくなりました。視力の低下を実感…。これから目の筋肉もストレッチしてあげたいと思います。


インプット作業をしていた中で以下の論文を早速ですがご紹介します。
Journal of Biomechanicsという論文掲載誌に7月4日付けで公開された論文↓
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0021929019304142?via%3Dihub
こちらで要約部分は読むことが可能です。

筑波大学HPでも報道向け資料としてのNEWS記事がありました。
こちらの記事中では、「キック泳で推進するカギは足裏の渦にあった〜スイマーの周りの水の流れの立体的可視化に初めて成功〜」とあります。

論文のフルテキスト中にも記載がありますが、泳速度は最大努力速度よりも低い強度で運動が実施されました。(繰り返し実施する泳者の疲労なども考慮されるため)
こちらの研究手法が今後、競泳の速度向上を解明していくことに役立っていくのではないかと期待されます!


私なりに読んでみた(指導現場的)要点としては

①ダウンキック動作の初めから終わりにかけて渦が大きくなっていく。
②ダウンキック動作の最終局面(アップキックへの切り返し局面)で作られてきた渦がジェット流(噴流)となり足先から離れていく。
③ダウンキック動作の初期局面での下肢は内旋位、ダウンキック動作の最終局面での下肢は外旋位(ここで爪先どうしが近づいた)、アップキック動作では爪先どうしが離れた、というように回旋運動を行っている。
④上記一連の現象により発生する足部の圧力差と渦により、推進力が生まれるのではないか。

※③の下肢の解剖学的肢位については、かなり甘い表現となっていました。まあ、そこは今研究の対象ではないですからね。足部の底屈背屈や回内回外において、どのように渦が出来るのか・推進力へつながるのか。今後の研究に期待です!


以上の点は、以前から現場では習慣的に伝えていたことではありますが
このように研究によって明らかにされ、指導の裏付けとなります。
指導者にとっても、指導を受ける選手にとっても、【継続して取り組む動機】に少なからず生きてくるのではないでしょうか。

このような研究論文というのは、我々指導者にとって知識として必要なものであると同時に、
指導の力量が試されるものでもあります。
こういった研究で出てきた【結果】を、どのように受け止め、どのような【過程】を歩んでいくか。


あとがき

目の前で泳いでいる選手Aさんは、ダウンキック(大きな渦を作り出す局面)を強化していくのか。ダウンからアップへの切り返し(渦を噴流へする局面)を強化していくのか。
このように分解して動作を見ると、主に働く関節運動も筋肉もそれぞれによって異なります。ということは、水中のスキル練習でも、筋力トレーニングでも取り組む手段が異なっていくこととなりますね。

限られた時間で、目的を明確にし共有し、トレーニングに取り組んでいく。
これこそが選手と指導者で共に進んでいくコーチングだな〜と感じております。
知識を得ること。想像力を働かせること。どちらも必要。
なかなか道は険しいものです。

ドルフィンキック

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