【オーバートレーニング症候群】原因はオーバートレーニングでは無い

オーバートレーニング症候群という言葉をご存知ですか?

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スポーツ現場にいると、たびたび耳にするワードです。

過度な練習やトレーニングが引き金となり、
長期的にパフォーマンスが低下したり心理的症状が見られたりすることが特徴だとされています。

オーバートレーニング症候群は、ほとんどが「過剰な練習(オーバートレーニング)」とは無関係に引き起こされる。

という内容の論文が発表されています。

過剰なトレーニングが一つのきっかけとなることがあるのでしょうが、必ずしも全ての原因とは言えないようです。研究論文などではどのように言われているのでしょうか?

本記事では簡潔にまとめてみます。

目次

結論

オーバートレーニング症候群は、

カロリー摂取が不十分であると、他の要因が無くても引き起こされる可能性が高いです。

【食事】と【睡眠】の質によって、オーバートレーニング症候群の全てのケースを説明ができる可能性があります。

(Flavio A Cadegianiら,2019)

論文紹介

題名:オーバートレーニング症候群の新しい原因と結果

Novel causes and consequences of overtraining syndrome: the EROS-DISRUPTORS study
著者:Flavio A. Cadegianiら
公開日:2019年9月18日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6751688/

内容:オーバートレーニング症候群を引き起こす要因を調査

■合計39名のアスリートが実験に参加しました。
(オーバートレーニング症候群のアスリート14名と健康的なアスリート25名)

■ホルモン反応・ストレス反応・血液や筋肉や免疫といった、様々なテスト検査を実施しました。

結果:オーバートレーニング症候群は、トレーニングパターンは関係なく、食事パターンによって引き起こされている。

食事パターン(タンパク質・炭水化物・カロリー摂取量)が、オーバートレーニング症候群を引き起こす主な要因となっていることが分かりました。

その他の要因には、睡眠・労働(学習)時間などもありました。

これらによってオーバートレーニング症候群が引き起こされると、
ホルモン応答の減少・筋肉量の減少・内臓脂肪の増加・体水分量の減少・血液組成の異常・気分障害などが見られます。


私見まとめ

オーバートレーニング症候群というのは、

練習をお休みすれば良い。
というだけでは改善しないことが、今回の研究から明確に分かりました。

長期的な成績不振や気分の落ち込みといった症状を感じている人は、

なによりもまず、
「栄養状態を改善する」ということに取り組んでください。

過剰なトレーニングの「量や頻度」を行っているチームも多いです。

長時間の練習などで、むしろトレーニング効果が失われている。という現実もあります。

現場のスポーツ指導者としては、

「効率的なトレーニング」を愚直に実践していき、

競技活動を通じて、『時間の使い方が上手くなるような経験』も高めていきたいと思っています。

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