走るのと泳ぐのは、どちらがキツいか?
このような会話を、以前に陸上選手としたことを思い出しながら記事を書いております。
皆さんはどちらでしょうか?
私は圧倒的に、走るほうがキツい気がしています。
今記事では、「走る&泳ぐ」30秒全力×8回。
それぞれを比較した研究論文をご紹介したいと思います。
論文紹介:インターバルトレーニング、陸上と水泳の生理学的な違い
題名:Comparison of the inflammatory and stress response between sprint interval swimming and running
著者:R A Casusoら
公開日:2018年1月24日
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29281146/
論文結果:
✅最大心拍数は、水泳のほうが低かった。主観的運動強度(RPE)は、どちらも差は見られなかった。
✅カリウムイオンの数値は、トレーニング後で、水泳のほうが低い数値だった。
✅IL-6の数値は、水泳のほうが低かった。
✅コルチゾルの数値は、トレーニング2時間後で、水泳のほうが低い数値だった。
✅IL-10とTNF-αの数値は、水泳と陸上とで差が無かった。
論文内容:
■18名が実験に参加(平均年齢23歳/平均体重71kg/平均身長175cm)
■水泳・トライアスロン・水球のいずれか競技歴が2年以上あり、週に2日以上のランニングと水泳を実施している集団
■2つ(ランニングとスイム)の実験を実施しました。全力スプリント30秒×8回。1回ごとのスプリント後に3分30秒のレストを取りました。
私見まとめ
泳ぐのと走るのは、どちらがしんどいか?
という主観的な視点で考えると「差は無い」と言える研究結果でした。
しかし、最大心拍数を見ると「陸上のほうが高かった」という結果です。陸上のほうが下半身における運動強度が高く、その結果として心拍数が上がったのかもしれません。ここについては様々な見方ができるかと思います。
運動への経験値・習熟度
例えば、プロの水泳選手が、陸上でのランニング30秒を全力で8本やったとします。
普段は水泳競技の練習に時間を使っているので、ランニングをすることにあまり慣れていないでしょう。
なので、ランニングのほうが「キツさ」を感じやすいかもしれません。
逆も同様に考えられます。陸上選手がクロール30秒を全力で8本やるのは、そうとうにしんどいのではないかと。。
その他、個人的に興味深かった違い
コルチゾールの測定値に違いがあったことです。
コルチゾールは、ストレスホルモンとも言われたりしています。
トレーニング業界では、筋肉におけるタンパク質の分解(代謝)という働きが有名かもしれません。
このコルチゾール数値が、高いかつ長く高値であれば、次までの回復時間も長く必要であるとも考えられるでしょうか。
そのような視点で考えると、水泳は陸上よりも、頻度を多くトレーニングできるのかもしれませんね。
どなたか詳しい方、教えていただければと思います。