精神的な疲労がパフォーマンス低下に影響するのか?

プロアスリートの皆さんでも、競技にだけ没頭できる時間というのは限られているかと思います。
競技以外の何らかの作業や仕事、人付き合いなど。
練習の身体的なストレスだけでなく精神的なストレスというのも存在します。

今回の記事では、精神的なストレスがパフォーマンスにどのような影響があるのかを調査した論文を紹介します。

目次

論文紹介

題名:精神的疲労は自転車競技者のパフォーマンスを低下させます。

Mental fatigue impairs time trial performance in sub-elite under 23 cyclists
著者:Luca Filipasら
公開日:2019年6月17日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6576783/

内容:自転車競技者において、精神疲労がタイムトライアルにどのような影響を与えるのか調査

10名(23歳未満)の男性。ロードサイクル競技者が実験に参加しました。
※1週間あたり4回程度のトレーニング頻度。

全員が、2回のタイムトライアル(30分間の自転車こぎテスト)を実施。
1回は、ストループテストという認知テストを実施してから自転車こぎ。(精神的疲労群)
もう1回は、特に何も要求しなかった。(コントロール群)

タイムトライアル中に、
パワー・ケイデンス(回転数)・心拍数・RPE(自覚的運動強度)を測定。

タイムトライアルの前後に、
血中乳酸濃度・心拍数の変動を測定。

結果:精神的疲労は持久的パフォーマンスを低下させた!

精神的疲労群のほうが、
平均パワーとケイデンスが有意に低下しました。

その一方、
血中乳酸濃度・心拍数・RPEでは差が見られませんでした。

まとめ

精神的な疲労というのは、学生アスリートのほうが大きいかもしれません。
競技に関わる人達は、練習やトレーニングの計画だけでなく
日常生活で受けるストレスというのも考慮してスケジュールを作成していく必要がありますね。

そのためには、指導者も理解を深める必要がありますが、
アスリートの側も自己主張や対話といった機会を多くしていかなければないでしょう。
今一度、見直していきたい項目です。

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