No.41記事で「クールダウンを実施しても回復しない!むしろデメリットもある。」というような内容をご紹介しました。
今回の記事では、No.41記事内でほんの少しだけ触れた「アクティブリカバリーの利点」を紹介したいと思います。
私見まとめ
アクティブリカバリー(クールダウン)は、
○短期的な視点【疲労回復にはメリットなし】
●中長期的な視点【トレーニング効果を高める】
「目的」が疲労回復という場合の「手段」としては適してませんが、
高強度トレーニング後の嫌気性能力&持久力向上という目的には適してます。
という結論へ至りました。(※現時点では。)
疲労回復にはメリットなし
トレーニングに、アクティブリカバリーを実施しても
数時間後のパフォーマンスに良い影響は無かった。
その他、筋肉損傷や筋肉痛からの回復にも効果は認められていません。
※ただし、インターバルトレーニング中でのアクティブリカバリー運動は、次の高強度運動のパフォーマンスを高めたという研究もあります。
(2017:Harutiun M. Nalbandianら)
トレーニング効果を高める
では、アクティブリカバリーにはメリットが無いのかというとそうでもありません。
高強度トレーニング後にアクティブリカバリーを継続して実施ていると、中長期的に「持久的な能力」が向上する可能性が高いです。
つまり、トレーニング期間は積極的にクールダウンやアクティブレスト(心拍数120/1min)程度の運動を取り入れる。
試合前やテーパー期では、クールダウンを実施せず、
練習後は速やかに「ケア・マッサージ」もしくは「栄養補給」に取り掛かる。
というように時期に合わせた【手段】を分けていくと良いかと考えられます。
論文紹介
HIIT(高強度インターバルトレーニング)後に、アクティブリカバリーを実施した群では
嫌気性能力の向上が有意に見られました。
Active Recovery After High-Intensity Interval-Training Does Not Attenuate Training Adaptation
著者:Thimo Wiewelhoveら
公開日:2018年4月18日
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fphys.2018.00415/full
SIT(スプリントインターバルトレーニング)後に、アクティブリカバリーを実施した群では
持久的能力の向上が有意に見られました。
Active Recovery Induces Greater Endurance Adaptations When Performing Sprint Interval Training
著者:Takaki Yamagishiら
公開日:2019年3月28日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6445608/