さまざまな競技で「ジャンプ」パフォーマンスを求められる場面があるでしょう。
水泳競技でも、ジャンプと競技パフォーマンスとの関連性はいくつか指摘されていたりします。
今記事でご紹介する論文は「PAP(PAPE)効果」を調査した研究となります。
PAPについては以下の記事をご覧ください↓
No.112 PAP・PAPE【筋肉をアクティベーション】させよう
論文紹介
題名:Effect of back squat depth on lower-body postactivation potentiation
著者:Joseph I Esformes , Theodoros M Bampouras
公開日:2013年11月
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23442291/
論文結論:浅いスクワットよりも深いスクワットのほうが「ジャンプ力の向上」が見られた!
🔽どちらのスクワットの深さもジャンプ力を向上させた。
🔽浅い(クォーター)スクワットよりも、深い(パラレル)スクワットのほうが、よりジャンプ力の向上が見られた。
論文内容:ジャンプテストはCMJ、スクワットはクォーターとパラレルで実施
■27名の男性ラグビー選手(平均年齢18歳、体重87kg、身長180cm)が実験に参加
■被験者たちは、最低でも週に3回のレジスタンストレーニングを習慣的に実施していました。
■実験を開始する前に、スクワット(クォーターとパラレル)の3RMを測定しました。
■実験当日、ウォームアップ後
(1)CMJを実施、その後10分休憩
(2)スクワット(クォーターもしくはパラレル)3RMを実施、その後5分休憩
(3)最後にCMJを実施。という流れでした。
■クォータースクワットとパラレルスクワットはそれぞれ別日で実験されました。
■カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)の測定は、ジャンプマット(SMARTJUMP/Fusion Sport社)が使用されました。
私見まとめ
今回ご紹介した研究論文では、トレーニング歴のあるアスリートによる、PAP効果(運動の直後効果)を見る実験でした。
スクワットは【深く】しゃがむと、股関節がより深く屈曲します。それによって「お尻(臀部)」の筋肉がストレッチされ負荷が高まります。
一方で【浅い】スクワットでは、股関節の屈曲は小さくなります。深いスクワットに比べると、重いバーベルを背負いますので、相対的に「膝関節」への負荷は高くなります。
そして、ジャンプテストはCMJですので、ある程度深くしゃがんで、股関節と膝関節のどちらも大きなチカラを発揮する必要があったでしょう。
これらから、深いスクワットのほうが、ジャンプテストのパフォーマンス向上に効果的であったと考えられます。
アスリートのみなさんが、筋力トレーニングを実施する場合、
【スクワットでは深くしゃがめるフォームを獲得しておく】ことを強くオススメしたいと思います。