競技パフォーマンス向上のために、トレーニングプログラムを「期分け」して組む手法を『ピリオダイゼーション』と呼びます。
今記事では特に、筋力向上や筋肥大を目指した【レジスタンストレーニング】に関するピリオダイゼーションについて考えを巡らせていきたいと思います。
ピリオダイゼーションの種類について
非ピリオダイズド(非周期トレーニング):non periodized
期分けせずに、同様の「強度」と「量」に取り組んでいく手法。
例:9ヶ月のトレーニング期間(週3回の頻度)
▼8-10RMを3セット
線形ピリオダイゼーション:Linear Periodization
時間経過と共に、「強度」を増加させて「量」を減少させていく手法。
例①:12週のトレーニング期間(分割法:2分割で週4回の頻度、72時間以上の間隔を空けて実施)
▼最初の4週間は「8-10RMを3セット」
▼次の4週間は「6-8RMを3セット」
▼最後の4週間は「4-6RMを3セット」
例②:12週のトレーニング期間(週2回の頻度、72時間以上の間隔を空けて実施)
▼最初の4週間は「12-15RMを2セット:レスト1分」
▼次の4週間は「8-10RMを3セット:レスト2分」
▼最後の4週間は「3-5RMを4セット:レスト3分」
逆線形ピリオダイゼーション:Reverse Linear Periodization
時間経過と共に、「強度」を減少させて「量」を増加させていく手法。
起伏性ピリオダイゼーション(非線形ピリオダイゼーション):Undulating Periodization
「強度」と「量」を頻繁に変動させていく手法。
主に以下の2つに分けられる。
■日ごとに変化させる手法(Daily Undulating Periodization)
■週ごとに変化させる手法(Weekly Undulating Periodization)
例①:12週のトレーニング期間(分割法:2分割で週4回の頻度、72時間以上の間隔を空けて実施)
同じ週で強度を変更し、3種類の量と強度でトレーニングを進行。
▼1日目に「8~10RMを3セット」
▼2日目に「6~8RMを3セット」
▼3日目に「4~6RMを3セット」
例②:12週のトレーニング期間(週2回の頻度、72時間以上の間隔を空けて実施)
2段階(前半6週間と後半6週間)に分けて進行。
▼最初の2週間は「12-15RMを2セット:レスト1分」
▼次の2週間は「8-10RMを3セット:レスト2分」
▼最後の2週間は「3-5RMを4セット:レスト3分」
▽1日目は「12-15RMを2セット:レスト1分」
▽2日目は「8-10RMを3セット:レスト2分」
▽3日目は「3-5RMを4セット:レスト3分」
ブロックピリオダイゼーション:Block Periodization
主に「持久系競技のアスリート」を対象としたトレーニングプログラムを指します。
トレーニング目標をブロックに分け、特定ブロック毎に取り組んでいく手法。
持久力トレーニングに関する「ブロックピリオダイゼーション」については、別記事で紹介したいと思います。
トレーニングの総量を同等にして比較した場合、優れていたのは?
筋肥大効果は?
どのピリオダイゼーションでも、総負荷をそろえた場合、効果は同等である可能性が示唆された。
最大筋力向上効果は?
①非ピリオダイズド(非周期)よりも、各種のピリオダイゼーショントレーニングのほうが優れている可能性が示唆された。
②線形ピリオダイゼーションよりも、起伏性(非線形)ピリオダイゼーションのほうが優れている可能性が示唆された。
「ピリオダイゼーション」と「プログラミング」の違い
ピリオダイゼーションは『マクロ(大きな)視点』
中長期的に「高めたい能力」を設定し、期間で区切って取り組んでいく手法を指します。
プログラミングは『マイクロ(小さな)視点』
ピリオダイゼーションによって設定された「高めたい能力」を向上させるために、トレーニング強度や量やレストなどを作成することを指します。
私見まとめ
今記事では、レジスタンストレーニング(いわゆる筋トレ)による効果的なピリオダイゼーションの手法について考えを巡らせてきました。
トレーニングプログラムを作成している指導者や競技者の方々の、学びのきっかけとなりましたら幸いです。
特に中級者以上に言えることだと思いますが、
やはり『刺激に慣れ過ぎないように』計画を立てていくことが大切だね。
最後に一言
同じ時間を費やすなら、わずかでも効果を高められるような選択をしていきたいよね。