前回のブログ記事をTwitterでは、このように紹介しました↓
ドルフィンキックについて書きました。
— 山﨑裕太 (@hari_sports_YY) April 23, 2020
進むポイントの1つは、ダウンキックからアップキックへの『切り返し』のようです。
その局面で、どのような意識をすることが良いのか?どのような筋力が必要なのか?
仮説を立てて、たくさん実践をしていきたいと考えてます。https://t.co/smYArHfZkk
第2回の「オンライン・ディスカッション」も無事に終わりました。
次回は5月2日を予定しています。
・ドルフィンキックまとめ
・バタ足について
上記の内容でディスカッションを進めていく予定です。
youtubeをご覧いただいた方々から、
「女性選手もパネラーに入れてください!」というご意見や
「もっと選手の感覚的な話も聞かせて!」という感想も寄せられました。
今後の内容に反映させていきたいと思います。
今回のブログ記事では、
【バタ足】についての論文を4つご紹介していきます。
論文①:クロール泳でのバタ足が抵抗力にどう影響するかを調査
題名:Effect of leg kick on active drag in front-crawl swimming: Comparison of whole stroke and arms-only stroke during front-crawl and the streamlined position.
著者:Narita Kら
公開日:2018年7月25日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29921521
個人的には、「バタ足の研究」と言えばコチラの論文でした。
「オンライン・ディスカッション」では司会をしていた成田健造さんが筆頭著者の論文です。
2018年には、ネットニュースにもなった研究です。
そのネットニュースでは、大きく曲げられた解釈をされて世間を賑わせていたのが印象的です(笑)
こちらの研究では、バタ足に焦点を当てられていますが
成田氏が開発したMRTメソッドという、研究(実験)方法に注目するべき内容なんだと感じています。
結論:クロール泳でのバタ足は抵抗値が大きい。(ある程度の高速度になるとバタ足は推進力に貢献しないかも)
論文②:様々な泳速度での、バタ足が生み出す推進力を調査
題名:Power production of the lower limbs in flutter-kick swimming.
著者:Gatta Gら
公開日:2012年11月
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23259238
18名の男性競泳選手が実験に参加。
15mバタ足スプリントと牽引テストが実施されました。
それらのテストにより、バタ足が生み出す「パワー」を比較。
結論:クロール泳での「速度」が遅いほど、バタ足が推進力に貢献する割合が大きくなります。
論文③:全力クロール泳での、バタ足が与える影響を調査
題名:The effect of leg kick on sprint front crawl swimming.
著者:Gourgoulis Vら
公開日:2014年
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24016316
9名の女性競泳選手が実験に参加。
25mクロールを全力で2本泳いで計測。
バタ足をすることによって、
胴体部分の傾きが約13%の減少が見られました。
結論:スプリントクロール泳でも、バタ足のプラス影響は見られた。バタ足によって、身体の傾きを減少させる効果が期待された。
論文④:足首(底屈)の柔軟性を改善した直後にバタ足は速くなるのか?
題名:Effects of Post-Isometric Relaxation on Ankle Plantarflexion and Timed Flutter Kick in Pediatric Competitive Swimmers.
著者:Noto-Bell Lら
公開日:2019年9月1日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31449303
55名の競泳選手が実験に参加。
そのうちの22名に対して、
オステオパシーによるマッスルエネルギーテクニック(MET)という施術をして、
足首の底屈柔軟性を向上させました。
その前後で、25ヤードのバタ足をタイム計測。
結論:バタ足のタイムは変わらなかった。
私見まとめ
今記事で取り上げた「バタ足」は、
クロール泳において、
推進力を大きく生み出す技術というよりも
【バタ足によって抵抗値を減らす役割】という意味合いが強いことが分かりました。
バタ足をすることによって、
・身体のポジション(姿勢)を安定させ、抵抗を減らす役割
・腕ストロークのチカラ強さを出す(タイミング・アクセント)としての役割
このような役割があると考えています。
色んな選手の話を聞いていると、
ドルフィンキックでもバタ足(フラッターキック)でも
調子が良いときほど「モモの前側」つまり大腿四頭筋が柔らかいままで疲れにくい気がする。
というような言葉を耳にすることが多いです。
泳いでいるときの「姿勢」によって、抵抗値が大きくなったり最小限に抑えられたりもします。
追記
オンライン・ディスカッションに参加してから、
SNSでのメール機能を経由して「質問」を頂く機会が増えました。
連絡をくださる方々のほとんどは丁寧な文章で送ってくださるのですが、
全てのご質問に答えていくことが困難です。
今月からダッシュスイミングスクールが開始したサービス「DASHオンラインサロン」では、私が質問に答える確率が飛躍的に上がると思いますので
ご覧ください。
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