【水分補給】効果的な内容成分・飲むタイミング

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前回の記事で、体水分量が低下(発汗)すると
運動パフォーマンスが低下しますよ。という内容を紹介しました。

今回の記事では、効率的な水分補給について検討してみます。

目次

水分補給の基礎知識

水分摂取から吸収までの時間

グルコース・フルクトースとナトリウムが含まれる飲料を摂取してから、約60分で血漿量が最大値へ高まります。
つまり胃腸を通過して血管へ吸収されたということになります。

ミネラルウォーター(ただの水)は、摂取してから約60分後に血漿量が最大値となりますが
血漿増加量は上記の飲料と比べて半分程度です。つまり吸収されにくい。

フルクトースだけが含まれる飲料を摂取した場合、約120分で血漿量が最大値となりました。
つまり吸収時間が遅い。

このように同じ量の水を飲んでも、
水の内容成分によって「吸収される時間」と「吸収される量」に違いが出てきます。

効果的な水分補給の内容成分

吸収されやすい水分の内容成分というのは、どのような成分なのでしょうか?

大きく分けて、2つの視点があります。

①浸透圧の違い

水分の浸透圧は、高張性・等張性・低張性の3つに分類されます。
人間の血漿は「285mOsm/L」という数値となります。これを等張液と定義します。
これよりも高い数値の場合は「高張液」。低い数値の場合は「低張液」となります。

※浸透圧の詳しい意味については、「化学」を学んでみてください。

②糖質の種類と濃度

ただの水は、基本的に浸透圧がゼロです。

汗をなめると、しょっぱい味がすると思います。
体液にはナトリウム(塩)が含まれています。なので、水分補給にはナトリウムが含まれている飲料が必要です。

水分補給のスピードにおいて、
糖が含まれる水を飲むと、吸収率が高くなります。
理由は、浸透圧もあるのですが
糖を運ぶ役割のトランスポーターというタンパク質も関係しています。

※詳しくは長くなりすぎるので説明しません。

水の中に「糖」と「ナトリウム(塩分)」を加えることによって浸透圧も変化します。
基本的には、糖やナトリウムの濃度を高めると浸透圧も高くなっていきます。

ナトリウム・電解質の濃度は、ミリイクイバレント(mEq)という単位を使います。難しいので説明はしません!

論文紹介

運動中は、低張性飲料が体液補給を促進し、運動による炎症反応を弱める可能性があります。

著者:Suzuki Kら
公開日:2013年
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23883691

低張性飲料が、等張性・高張性飲料と比べて優秀でした。(水分補給速度・胃腸の不快感)

著者:Rowlands DSら
公開日:2011年12月
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22089303

クラスターデキストリンという糖質は、他の糖質に比べて胃内容排出時間が速い。

著者:Takii Hら
公開日:2005年5月
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15900642

まとめ

運動による体液損失(発汗)についての論文を読んでいると、低張性飲料が優れているという内容のものが多くありました。

高張性(高浸透圧)飲料は、腹痛・下痢といった胃腸の不快感が出やすいことが分かっています。

体液よりもやや低い浸透圧の飲料を摂取すると
胃腸の不快感も少なく、効率的に水分と糖質の補給が可能です。

クラスターデキストリンについて

クラスターデキストリンというのは、江崎グリコが開発し販売している糖質の製品です。

他のデキストリン(多糖)と比べて、分子量が多いのが特徴であり、水への溶けやすさが高いです。

そのためクラスターデキストリンは水に入れても浸透圧が高くなりにくい。

つまり、
他の糖(グルコースなど)では5g/Lを水に入れたら等浸透圧になるものが、
クラスターデキストリンでは、5g/Lを水に入れても低浸透圧である飲料を保つことができるドリンクの出来上がりとなります。

水分も糖も補給が効率的である。
ということでオススメです。

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