【競泳練習メニュー】トレーニング強度の割合についてまとめ

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競泳競技のコーチとして、競技力向上を目指したトレーニングメニューを作成していると頭を悩ませることも多くあります。

その中の一つである「トレーニング強度の割合について」の考え方の基となるような記事にしておきたいと思います。

目次

トレーニング(運動)強度の分類

トレーニング強度を分類するときに、「血中乳酸濃度値」を用いるケースが多いです。

3つに分類した研究

Polarized Trainingを紹介した「Stephen Seilerらの論文」によると

■zone 1(低強度)を、血中乳酸濃度(2mmol)以下

■zone 2(中強度)を、血中乳酸濃度(2〜4mmol)

■zone 3(高強度)を、血中乳酸濃度(4mmol)超える

このような分類を用いています。

※参考:No.89 【水泳】Polarized(ポウラライズド)トレーニングについての研究論文を紹介

5つに分類した研究

数多くのトレーニングに関する研究をされており、コーチとしても活動している「Mujikaらの論文」によると

■IntensitiesⅠ、血中乳酸濃度(2mmol)以下

■IntensitiesⅡ、血中乳酸濃度(2~4mmol)

■IntensitiesⅢ、血中乳酸濃度(4~6mmol)

■IntensitiesⅣ、血中乳酸濃度(10mmol)程度

■IntensitiesⅤ、最大全力泳、血中乳酸濃度(16mmol)程度

このように分類しています。

参考:No.84 【競泳練習メニュー】トレーニング強度の割合を長期にわたって調査


その他、乳酸値を基準にしない分類方法として「Borgスケール」と呼ばれる分類方法があります。

主観的運動強度(Borgスケール)

RPE (Rate of Perceived Exertion):主観的な運動強度

Borg氏が提唱したため、ボーグスケールとも呼ばれる。

「6〜20」の数字で運動強度を評価します。その数字に10を掛け算すると、「60秒あたりの心拍数」を示す値となります。

あくまで主観的な指標ですので、指導者と選手本人が完全に一致するような共有は困難です。

私見まとめ

「Polarized Training(ポウラライズド・トレーニング)」という用語があります。

水泳競技コーチの方々との会話の中でも最近出てくるワードの一つです。

主旨としては「高強度トレーニングが大事だよね。中強度の割合を多く取り入れちゃうと、疲労もたまるからキチンと高強度に到達しなくなっちゃうよね~」という感じです。

Polarized Trainingを広めたStephen Seiler氏の研究では、「クロスカントリースキー競技」の選手を対象としています。

高強度に到達するような運動が少ない持久的な競技のためのトレーニングであれば、3つの分類でも充分かもしれません。

しかし、水泳のような競技時間が比較的短い運動の場合は、それだけ運動強度も高くなります。

なので高強度(血中乳酸濃度4mmol以上)をさらに分類したMujika氏らの5つの分類がしっくりきます。


いずれにしても、血中乳酸濃度をトレーニング強度の指標にしているので、我々のような民間の弱小チームでは日常的な計測は困難です。

一刻も早く、非侵襲性(血を出さなくても良い)測定器が世の中に広まることを願うばかりです。。もうすでに売ってる場合は教えてくださいませ。

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