今記事は、競技力向上に関する研究などをご紹介する内容ではありません。
2020年5月からスタートした「オンライン・ディスカッション」というものがあります。
YouTube Liveという機能を利用して、競泳のトップ選手・研究者・コーチ・トレーナーといった様々な立場の人達が
オンライン・ミーティングをおこなっている様子を配信しています。
過去の配信には、バタ足やドルフィンキックといったピンポイントでの話題を深堀りするディスカッションも実施しました。
ここから本題です。
「オンライン・ディスカッション」をご覧くださった方々から、たくさんのご意見やご助言を頂きました。
その中でも、私個人的に心に残っている「ご助言No.1」についてを紹介しながら
そのご助言が出た意味を、自分なりに考えたことについて、書き残しておきたいと思います。
「誰に向けた話で、どの層に聞いてほしいの?」
この言葉をいただきました。
助言してくださった人にとっては、何気ない一言だったかもしれませんが
私にとっては、とても考えさせられる言葉でした。
こちらのご助言を基に、
競技レベルとトレーニング歴の違いによる「認識」や「トレーニング方法」について
以下に、おおまかですが考えたことを書いてみます。
初心者ほど競技パフォーマンスは向上しやすい
誤解を恐れずに書くと、「何をしても速くなる」段階です。
競泳を始めたばっかりの人であれば、腕立て伏せを1日3回しただけで速くなります。
そこに因果関係があるのかは別にして…。
今記事の冒頭(サムネイル)でも貼り付けてありますが、コチラをご覧ください。
フリーハンドで、パパッと書いたものですので、グラフの線はだいたいのイメージをしていただけたらと思います。
上記のグラフで見ると、
競技・トレーニング歴が、1〜3年の期間はグイグイ伸び続けています。
大げさに言ったら、
競技のためにトレーニングしていれば、そこまで深く考えなくても「伸びる」ということです。
競技力トップレベルの選手ほど競技パフォーマンスは向上しにくい
ある程度の競技歴がある人ではどうでしょうか?
競技・トレーニング歴が4〜5年あたりのグラフを見てみましょう。
競技パフォーマンスが伸びてはいますが、
1〜3年の期間と比べたら「伸びは鈍化」しているのが分かります。
ある程度の期間を過ぎたら、伸びは鈍化してきて頭打ちになります。
それでも緩やかですが「伸び続けていく」人は何をしているのか?
競技トップ選手たちが考えていること・実施していること
競技力をより向上させるために、ただひたすら泳ぐだけじゃなく
様々なトレーニングと言う名のチャンネルを持っています。
筋力を向上させるためのウエイトトレーニングだったり、
バランス能力を高めるためのトレーニングだったり、
瞬発力を鍛えるためのプライオメトリクストレーニングたったり、
身体の機能をより高めるための栄養摂取方法だったり、
精神を安定させるための瞑想だったり、
他にも様々なコトに取り組んでいると思います。
このような様々なチャンネルを複雑に組み合わせながら、競技力向上を図っているのです。
初心者がトップ選手の話を聞くことは意味がないのか?
ありますし、めっちゃ貴重です。
理由は、
すぐ近いうちに訪れるであろう、「伸びの鈍化」を鈍化させないために備えることができます。
もちろんある程度の鈍化は当然のようにありますが、
ご自身の「やることリスト」のようなものをリストアップしておけば、仮にパフォーマンスが停滞してきたその瞬間にも
「私はまだまだこんなことをやっていないじゃん」って精神衛生状態も良くなるんではないかと。
トップ選手の取り組みを真似すれば良いのか?
トップ選手が毎日もも上げ100回やってるからと言って、
あなたも同じことをした方が良いのか?と聞かれればNoと答えます。
真似するべきは、その「取り組みへの姿勢や考え方」といった部分であると思います。
まとめ
「これをやれば伸びる!」という言葉は嫌われがちですが、
それをやって伸びた人は実際にいるからこそ「これをやれば伸びる!」って言葉が量産され続けるのです。
「アナタは伸びたけど、ワタシは伸びなかった」という個体差による結果もあるでしょう。
しかし、個体差ではなく
ご自身の競技力レベルを見極めて「適切な段階の取り組み」をやれば、伸びる可能性は飛躍的に高まると考えています。
つまり、「自分の位置を把握すること」が競技力向上においてとても大切だと思っています。
私は自分の立ち位置を見極められず右往左往する日々です…。精進します。。