呼吸の回数を制限して(無呼吸)トレーニングすることで、どのような効果が期待できるのか?
どのような生理学的な能力が向上するのか?また、どのような能力の向上は期待できないのか?
そういったことについて考えを巡らせていきたいと思います。
結論:無酸素性能力の向上が期待できる!しかし有酸素性能力の向上は期待しないほうがよいかも。
✅無呼吸トレーニングは、通常呼吸(呼吸制限なし)トレーニングと比べて、無酸素性能力(血中乳酸濃度ピーク)向上効果がある可能性が示唆された。また、有酸素性能力(Vo2max:最大酸素摂取量)の向上効果は期待できない。
【論文内容】データベースからの調査により、545本の論文からスクリーニングされ192本の論文が残った。その中から基準を満たした7本の論文がメタ分析に含まれた。
(Francisco de Asís-Fernándezら:2022)
呼吸制限(無呼吸)トレーニングって、例えばどんなトレーニングのこと?
息を止めた上で可能な短い運動時間を繰り返し反復するようなトレーニング内容が多いようです。
いわゆる高強度インターバルトレーニングを指します。
メタ分析に含まれた内の論文の1つを過去に紹介しています↓
私見まとめ
無呼吸トレーニングは、解糖系が十分に刺激されるような高強度運動であるため、無酸素性パフォーマンスの向上が期待できます。
一方で、有酸素性能力の向上を期待するならば、そのようなトレーニングを選択し取り組むべきだということです。
これをトレーニングの『特異性の原理』と呼びます。
トレーニングを組むうえで大切にしていきたいポイントだよねきっと。
なぜ無呼吸トレーニングでは、有酸素性能力は明らかな向上を示さなかったのか?
無呼吸だと、有酸素性システムを充分に刺激するほどのトレーニングボリュームではないからじゃないかな。
トレーニング刺激への「適応」の大切さについて回りくどく書いた記事はコチラ↓
自分の能力を高めていくには螺旋階段的に様々な刺激を計画的に与えていこう。
当チームで実際に取り組んでいるメニュー
90分くらいの練習メニューの中で、わりと序盤に無呼吸トレーニングを取り入れることが多いです。
■無呼吸25m×6~8本、サイクル40秒
このあと十分に休憩時間を取りメインメニューへ。