【水泳】スプリントトレーニングを息を吐き切った上で実施してみよう

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「スプリントトレーニングのバリエーションが少なくて、いつも単調な内容になってしまう」 現場で指導していると、そんな相談をよく受けます。

私個人としては、単調な反復トレーニングも嫌いではないのですが、ジュニア選手などはどうしても飽きてしまうことがありますよねぇ。

以前、私のTwitter(現X)でも、水泳トレーニングにおける「ハイポ(呼吸制限:Controlled Frequency Breathing)練習」に関する論文を紹介しました。

呼吸筋の疲労耐性を高め、パフォーマンスを向上させる可能性があり、意外と多くの方に興味を持っていただけたように感じます。

本記事では、実践的なアイデアとして、「意図的な低換気(息を吐き切った上での無呼吸)」を取り入れた研究論文を引用し、その効果について考察します。

いつものトレーニングに「ひと味」加えるような感覚で取り入れてみてね。

目次

論文紹介

題名:Repeated-Sprint Training in Hypoxia Induced by Voluntary Hypoventilation in Swimming
著者:Laurent Trincatら
公開日:2016年8月
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27294771/

実験の結果(結論)

論文では、呼吸制限の有無によって以下のような明確な違いが確認されました。

1. スピード持久力の向上:呼吸制限「あり」グループは反復スプリントテストの結果が有意に改善した。一方、呼吸制限「なし」グループには改善が見られなかった。

2. 血中乳酸値の増加:トレーニング中の血中乳酸値は、呼吸制限「あり」グループで明らかに高かった。

3. SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)の低下:トレーニング中のSpO2は、呼吸制限「あり」グループで明らかに低値(スプリント直後は平均84%)を示した。

実験の概要(対象と方法)

<参加者>

  • 16名の水泳選手(男性9名/女性7名)が実験に参加。平均年齢15歳。
  • 週9時間以上のスイムトレーニングおよび週3時間以上のストレングストレーニングを実施している集団。
  • 2つのグループに分けられて実施。
    ・呼吸制限ありグループ(男性4名/女性4名)
    ・呼吸制限なしグループ(男性5名/女性3名)
    ※呼吸制限ありグループは、15mスプリントの直前に「息を吐ききってスタート、スプリント中は無呼吸」という指示が出された。

<実験内容>

  • 2週間(週3回:計6回のトレーニング実施)の実験期間を設けた。
  • トレーニング内容は以下⇣(25mプールで実施)
    • 15m×16本×30秒サイクル×2セット
      • (15mスプリント後の10mは低強度で壁へ向かった)
      • (1セット終えるごとに20分間のアクティブリカバリー)
  • 【評価方法】トレーニング期間の前後で”反復スプリント(スピード持久)テスト”を実施
    • 25mスプリントを35秒サイクルで行い、ベストタイムから算出した基準タイムを下回った時点でテスト終了とする。

私見まとめ

「スプリントトレーニングにおいて、呼吸制限をするか、しないか?」

この論文データから考察すると、「息を吐ききった上での無呼吸スプリント」を取り入れたほうが、生理学的な負荷が高まり、得られるトレーニング効果(スピード持久力の向上)が大きいと言えますね。

呼吸制限「あり」グループは、同じ「15m×16本」というメニューであっても、血中乳酸値が高く、SpO2が低下していました。

これはつまり、同じ距離・同じ時間を泳ぐにしても、呼吸を制限する「ひと手間」を加えるだけで、身体への負荷をより効率的に引き上げられるということ。

どうせ同じ時間と労力をかけて頑張るのであれば、少しでも効果の高い方法を選択したいですよね。

競技力の高いトップアスリートたちは、こうした「ほんのひと手間」を日常のトレーニングに当たり前のように組み込んでいるよ。

ジュニア選手から見れば「意識高い系」に映るかもしれませんが、これは限られた時間でパフォーマンスを最大化するための賢い選択だね。

いつものトレーニングに変化をつけたい時や、より効率的にスピード持久力を鍛えたい時は、ぜひ「息を吐ききった上での無呼吸スプリントスイム」をやってみよー!

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この記事を書いた人

山﨑 裕太のアバター 山﨑 裕太 コーチ

アスリートのコーチングが仕事
オリンピック選手指導
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