多くのアスリートが「筋トレ」に励んでいることと思います。
優れたアスリートほど、競技中のテクニックやプレーに対して【自分なりの運動イメージ】を明確に持っているように感じます。
しかし、競技以外の「いわゆる筋トレ」になると、自己流でやって怪我や故障をしたりといったアスリートもいます。
怪我や故障をしないまでも、
筋トレ動作を「無理に競技動作へ結びつけようとする」アスリートの方々も見受けられます。
その結果、競技動作に対する【自分なりの運動イメージ】を見失い、パフォーマンスが低下する。という可能性も考えられます。
No.87 指導者はどのような言葉がけをすべきか?運動能力に与える意識の影響
「競技動作に(筋トレ的な)負荷を与える」ことのデメリットについて
— 山﨑裕太(Yamazaki Yuta) (@hari_sports_YY) December 15, 2020
運動イメージ(内的/外的)の観点から考えを更新しました。
どのようなトレーニングを取り入れるにしても、実施する側の認識(情報リテラシー)が高度であれば問題ないはずですhttps://t.co/r5BiQG0ADY
筋トレ動作と競技動作を、目的もなく無理に同じようにする必要はありません。
☑今記事では、【筋トレ中の運動イメージ】効果についてを研究された論文をご紹介したいと思います。
論文紹介
題名:Differential effects of attentional focus strategies during long-term resistance training
著者:Brad Jon Schoenfeldら
公開日:2018年3月13日
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29533715/
論文結論:内的意識(インターナルフォーカス)が、筋肥大効果を高める可能性が示唆されました
🔽内的意識(Internal Focus)が、外的意識(External Focus)と比べて、上腕部(肘屈筋)の筋肥大が明らかに有意でした。
🔽内的意識も外的意識も、大腿部(膝伸筋)の筋肥大は同様でした。
※過去1年間はレジスタンストレーニングを実施していないレベルの被験者が対象でした。
論文内容:8週間のトレーニング期間を2つのグループに別れて筋肥大効果を調査
■30名の一般男性(18〜35歳)が実験に参加。
■10週間の実験期間(1週目テスト⇨2~9週目トレーニング⇨10週目テスト)で実施されました。
■8週間のトレーニング期間では、週に3回のレジスタンストレーニングが実施されました。
■実験グループは2つに別けられました。(①内的フォーカス群15名/②外的フォーカス群15名)
■トレーニング内容は、立位でのバーベルアームカール・マシンレッグエクステンションの2種類
■内的(Internal)意識グループでは”squeeze the muscle!”、外的(External)意識グループでは”get the weight up!”
私見まとめ
動作に対しての【意識の向け方】によって、効果やパフォーマンスが変化する。ということが明らかになってきています。
競技者・アスリート自身が、このような事実を知り、活用することが何よりも重要だと思います。
ですが、
スポーツ・競技に取り組み始める当初のほとんどは、大人からの指導を受けることでしょう。
その指導者たちから「意識の向け方」を押し付けられて、上手くパフォーマンスを発揮できないなんてケースも多くあるのかもしれません…。
競技種目によっては、動作への「意識の向け方」が結果に対して重要ではなく、もっと優先順位の高い事項が山程あるかもしれません。
※例えばチームスポーツ
競技レベルによっても、優先されるべき能力は異なると考えています。
競技初級者が中級者へレベルアップするためには、まずは「反復すること」が重要でしょう。
それによって、動作の「型」を覚え、無意識レベルにまで落とし込みます。
競技力の高いアスリートの多くは、長嶋茂雄氏のような感覚を持っているように感じます。
※長嶋茂雄氏的感覚(バッティング編)「グワッーーっと来てバンッ!」
このような感覚を指導者は教えられるのか?
また、教えられるとしたらどのように伝えればよいのか?
私はこのような「コーチング・キューイング」に興味があります。