【ウイルス感染対策】手洗い・うがい・マスクは効果あるのか?

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COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の話題が毎日のようにニュースで流れてきます。

お湯を飲むことでウイルスが死滅する。

このようなデマ情報も直ちに拡散されていました…。

それだけではなく、
「マスクは意味ない」というような情報も流されてしまっています…。

今回の記事では、
【ウイルス感染症の予防】に関する情報について
研究論文を基に、ご紹介していきます。

目次

結論

マスク着用

マスク着用による予防効果は、明らかになっていない(有意ではない)
2017:Saunders-Hastings Pら

しかし、
院内感染などの閉鎖的な環境では
マスク着用による予防が効果的である可能性が指摘されています。

2016:Ambrosch Aら

マスクの種類に効果の違いは?

「医療従事者」を対象とした、3パターンの比較実験があります。

①医療用(サージカル)マスク群
・マスクは3層構造、不織布製
・(4週間でシフト勤務中に毎日2枚配布)勤務ごとにマスク取り替え。

②布マスク群
・マスクは2層構造、綿製
・(4週間で計5枚が配布)毎日、石鹸で洗った。

③コントロール群(特に指示なし)
・通常の病院勤務と同様に過ごしてもらうように、特別な指示なし。

◎感染症の予防効果が高かったのは、

【第1位】医療用(サージカル)マスク群
【第2位】コントロール群(特に指示なし)
【最下位】布マスク群

布製マスクの使用群で、感染リスクが増大する可能性が指摘される結果となりました。

論文紹介

題名:A cluster randomised trial of cloth masks compared with medical masks in healthcare workers
著者:C Raina MacIntyreら
公開日:2015年4月22日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4420971/

私見

院内感染のリスクが高い現場では、
医療用マスクを常時着用し、なおかつ頻繁に交換することで感染リスクを低減する。
ということは分かりました。

上記の論文では、色々と疑問点が浮かんできます。

「布製マスク群」と「マスクなし」を比較した場合は、どうなのか?

「布製マスク群」も「医療用マスク群」と同様に頻繁に交換した場合、どの程度の差が生まれるのか?

などなど。
今後の研究結果を待ちます。

マスクの透過性

では、どんなマスクが良いのか?

ウイルスを、より透過させないマスクは「何を基準として見ればよいのか?」

【N95規格】という言葉があります。
アメリカ合衆国労働安全衛生研究所(NIOSH)が定めた基準。

それをクリアしたものは「N95マスク」と呼ばれます。

サージカルマスクとN95マスクの透過性を比較した論文では、
N95マスクの高い「ろ過効率」が分かっています。
2006:Li Yら)(2014:Edward M. Fisherら


手洗い

手洗い(手指消毒)の頻度を高めることで、
ウイルス感染の予防に効果的である。

2017:Saunders-Hastings Pら


うがい

【うがい】による予防メカニズムは、今のところ不明のようです。

一般的に、菌やウイルスの多くは「鼻腔」から侵入し、数十分から数時間で鼻咽頭細胞に感染すると考えられています。
したがって、微生物学的な観点からは、1日数回しか行われないうがいが予防的にどのように作用するかについてはほとんど理解されていません。

2018:Daisuke Furushimaら

こちらの論文中にも、数多く紹介されていますが
「茶カテキン成分」によって、抗ウイルス作用があるとされています。

しかし、臨床実験では効果の実証がなされていない。
ここでは、茶カテキンで「うがい」の効果を実験した論文を紹介します。

論文紹介

題名:Effect of Tea Catechins on Influenza Infection and the Common Cold with a Focus on Epidemiological/Clinical Studies
著者:Daisuke Furushimaら
公開日:2018年7月20日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6100025/

結論

緑茶での「うがい」によって
インフルエンザ感染のリスクを低減させる可能性があります。


緑茶カテキンの摂取

①カテキン飲料を「1日3回」摂取した群
②カテキン飲料を「1日1回」摂取した群
③プラセボ群

この3グループで「上気道感染症」の感染率を調査したところ、
カテキン飲料を「1日3回」摂取した群が【有意に感染予防効果が見られた】という結果でした。

論文紹介

題名:Prevention of Acute Upper Respiratory Infections by Consumption of Catechins in Healthcare Workers: A Randomized, Placebo-Controlled Trial
著者:Daisuke Furushimaら
公開日:2019年12月18日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7019590/


咳エチケット

咳エチケットに関する有効なデータは見つかりませんでした。
2017:Saunders-Hastings Pら

学生を対象とした研究では、このようにも言われています↓

咳エチケットが習慣的に改善すると、感染症が減少・就学率が向上。
さらに家族への感染が減少する可能性がある。

2017:Farhana Sultanaら

咳エチケット(厚生労働省による説明)


注意点

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)を研究した論文は、まだ多くありません。


私見まとめ

感染予防の最重要は【手洗い】!!!!!

「マスクの着用」は、適切に実施すれば
やらないよりもはるかに予防効果を期待できる!

今記事で私が伝えられることは、この言葉となりました。

今回のような緊急事態とされるものには、
必ずといっていいほど「デマ」といった誤情報が流れるものです。

こういう時ほど、一次情報(元の情報)にアクセス出来る能力を身につけておきたい。

研究論文を読む。

自分の専門分野でなくても、あなたの身を守る意味で
獲得しておきたいスキルの一つではないかと感じました。

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