アスリートの皆さんは、高強度インターバルトレーニング(HIIT)というものに取り組んだことがあるかと思います。
HIITは一般的に、「数十秒の高強度運動をした後、数十秒の休憩をはさむ。」これを数セット繰り返す。というトレーニング様式のことを指します。
今回の記事で取り上げる論文は、
スプリントインターバルトレーニング(SIT)「数十秒の高強度運動(最大努力)をした後、数分間の休憩をはさむ。」という手法です。
論文紹介
題名:「SIT」はAerobic(好気性)もAnaerobic(嫌気性)どちらも向上させる!
10 or 30-s sprint interval training bouts enhance both aerobic and anaerobic performance.
著者:Hazell TJら
公開日:2010年4月28日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20424855/
内容:「SIT」は30秒が良いの?10秒が良いの?
HIITやSITといったトレーニング方法の効果は認められてきました。
しかし、高強度運動と休憩の「時間」は何秒が効率的なのか?という疑問を解明したいという内容。
参加者
20代の48人(男性35/女性13)が実験に参加。ほとんどが運動選手であった。
参加者は実施するトレーニングを以下の4つに分けられた。
トレーニング内容
①30秒SIT:4分休憩
②10秒SIT:4分休憩
③10秒SIT:2分休憩
④トレーニングなし
実験期間は2週間でトレーニング実施数は合計6回(週3回)でした。
SITトレーニングのセット数は、
トレーニング日(1-2回目)4セット、
トレーニング日(3-4回目)5セット、
トレーニング日(5-6回目)6セットとしました。
結果:SITに取り組んだら能力向上しますが、4分休憩したほうが顕著でした。
・VO2max(最大酸素摂取量)
SITに取り組んだグループはすべて、パフォーマンスが向上した。
トレーニングなし群は向上しなかった。
※(30秒:4分)と(10秒:4分)が、(10秒:2分)に比べて向上率が高かった。
・5kmタイムトライアル(自転車)
SITに取り組んだグループはすべて、パフォーマンスが大幅に向上した。
トレーニングなし群は向上しなかった。
※(30秒:4分)グループが、他のトレーニングに比べて若干向上率が高かった。
・Wingateテスト(30秒間の全力自転車)最大出力値
SITに取り組んだグループはすべて、パフォーマンスが向上した。
トレーニングなし群は向上しなかった。
※(30秒:4分)と(10秒:4分)が、(10秒:2分)に比べて向上率が高かった。
・Wingateテスト(30秒間の全力自転車)平均出力値
SITに取り組んだグループはすべて、パフォーマンスが向上したが、
(10秒:2分)グループは統計的な有意差には到達しなかった。
トレーニングなし群は向上しなかった。
※(30秒:4分)は、(10秒:4分)に比べて向上率が若干高かった。
まとめ
運動時間「10秒」と「30秒」の間で大きな差は見られませんでしたが、
休憩時間では4分のほうがパフォーマンス向上が見られました。
【SIT】は最大出力を発揮することが重要だと考えると、10秒程度の最大運動で
休憩は4分くらいの「長め」が良い。と予想されます。
早速、私の作成するトレーニングメニューに反映していこうと思います。