「ストレッチ」について、メリット・デメリット様々な効果があることが分かってきています。
近年、静的ストレッチは悪者扱いされているように思います。
動的ストレッチが良いとされているように感じます。
スタティック(静的)とダイナミック(動的)
現在のストレッチ論争について現在(2019年11月8日時点)で分かっていることをまとめてみます。
スタティック・ストレッチ(静的ストレッチ:Static Stretch)
期待できる効果
・関節可動域(Range Of Motion)向上
・筋肉の受動的トルク(Passive Torque)向上
・筋肉の受動的剛性(stiffness)低下
注意点
30秒以上の静的ストレッチは、その直後の「筋肉パフォーマンス」を低下させる可能性が指摘されています。
運動直前に長時間の静的ストレッチを実施するのは避けたほうが良いでしょう。というのが現在の結論のようです。
ダイナミック・ストレッチ(動的ストレッチ:Dynamic Stretch)
期待できる効果
・関節可動域(Range Of Motion)向上
・筋肉の受動的トルク(Passive Torque)向上
・筋肉の受動的剛性(stiffness)低下
・運動パフォーマンスの向上(体温を上昇/神経筋の促通/PAP効果)
注意点
動的ストレッチの量(回数)が増えると、筋肉が疲労してチカラ発揮パフォーマンスが低下する可能性が指摘されています。
どの程度が「やり過ぎ」なのかは、運動習慣や年齢や性差によっても変化すると思われます。
「同一箇所」合計90秒以上(30秒を複数セット)実施することで効果を大きくすることが期待されるという研究もあり。
疑問①:静的と動的で、どちらが柔軟性向上に優れているのか?
現在では、分かっていない。
・効果の差は無い。という研究。
・静的ストレッチのほうが、柔軟性が向上した。という研究。
・動的ストレッチのほうが、柔軟性が向上した。という研究。
それぞれがあるようです…。
「量を多くした方法」でストレッチ効果を調査した研究
方法①:静的ストレッチ30秒×10セット(セット間の休憩は20秒)
方法②:動的ストレッチ30秒×10セット(セット間の休憩は20秒)
上記2つの方法を実施前後で、効果の差を調査しました。
結果
・関節可動域⇨どちらも大幅に向上
・受動的トルク⇨どちらも増加
・受動的剛性⇨どちらも大幅に減少
・アイソメトリック(等尺性)筋力⇨どちらも低下
そして、両者の間に「効果の差は無かった」という結論。
論文紹介
Changes in Flexibility and Force are not Different after Static Versus Dynamic Stretching
著者:Shingo Matsuoら
公開日:2019年10月23日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6811350/
私見まとめ
過ぎたるは及ばざるが如し。
現在、分かっていることで言えるのは
①柔軟性の向上には、静的も動的も「どちらも」効果はあり、両者の差は分かっていない。
②運動前にとりあえず的な「静的(スタティック)ストレッチ」は、避けるべき。
③静的でも動的でも、やり過ぎ(同一箇所を合計300秒間)は一時的に筋力パフォーマンスを低下させる可能性あり。
今後の研究を待ちましょう。
参考論文
A review of the acute effects of static and dynamic stretching on performance.
著者:Behm DGら
公開日:2011年11月
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21373870/
The effects of dynamic stretching on the passive properties of the muscle-tendon unit.
著者:Herda TJら
公開日:2012年10月31日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23113555/
Does pre-exercise static stretching inhibit maximal muscular performance? A meta-analytical review.
著者:Simic Lら
公開日:2012年2月8日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22316148/
Acute effects of muscle stretching on physical performance, range of motion, and injury incidence in healthy active individuals: a systematic review
著者:David Gら
公開日:2015年12月8日
https://www.nrcresearchpress.com/doi/10.1139/apnm-2015-0235?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%3dwww.ncbi.nlm.nih.gov#.XcGRruiTLaY