年齢的に成熟してきたアスリートたちの多くは、
「学生の頃みたいに、ボリュームの多い持久的なトレーニングが苦手になってきた」と言います。
様々なスポーツで、
大人の選手が「低い強度で長時間」トレーニングしている様子を見聞きします。
私個人的には、持久的なトレーニングは【必要】であるというスタンスです。
理由としては、強度低めの運動によって「技術の定着」が達成されやすいからです。
ですが、持久的なトレーニングは必要だと思われる最低限で良いかと。
技術を得るためのトレーニングは、「体力」を向上させません。
今回の記事は、
大人と子どもの「身体的」な違いについて述べられている研究を参考にしてまとめてみました。
結論
子どもは(大人と比べて)
①筋肉の出力が低い
解糖系/嫌気性能力が低い・酸化能力は高い
②疲労からの回復が早い
疲労してからのパフォーマンス回復・心拍数の回復
大人は(子どもと比べて)
①筋肉の出力が大きい
解糖系/嫌気性の活性が高い(LDH酵素活性が多く分泌されている)
②疲労からの回復が遅い
次のトレーニングまでのパフォーマンス回復・心拍数の回復
まとめ
子供の頃は「短距離」が苦手だったのに、
大人になってから得意になってきた。という人も多いのではないでしょうか。
一般的に見られる傾向としては、結論で上げたような内容となります。
以上のことから、
運動指導者は「年齢によって取り組むトレーニングを変える」必要があると言えます。
いつまでたっても、子どもの頃のような「時間の長いダラダラと続く」トレーニングは
成熟した大人には精神的にも肉体的にも【キツイ】のです。
もちろん、持久的なトレーニングが不要であるということではりません。
トレーニングの割合を考慮するべきです。
では、どういったトレーニングが体力向上にとって効率(時間的・効果的)に良いのか。
HIIT(高強度インターバルトレーニング)や
SIT(スプリントインターバルトレーニング)といった
「強度(出力)の高い運動」が効率良いとされています。
参考論文
The kinetics of blood lactate in boys during and following a single and repeated all-out sprints of cycling are different than in men.
著者:Engel FAら
公開日:2015年1月27日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25942632/
Postexercise heart rate recovery in children: relationship with power output, blood pH, and lactate.
著者:Buchheit Mら
公開日:2010年4月
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20383224/
Anaerobic and aerobic enzyme activities in human skeletal muscle from children and adults.
著者:Kaczor JJら
公開日:2004年12月20日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15611348/