筋肉グリコーゲンを素早く回復させるための戦略【1回で摂取か?複数回に分けるか?】

recovery 栄養学

水泳選手や陸上選手は、1日の中で複数のレースを実施することがあります。

高強度の運動をすると、体内から”糖”が消費され、筋グリコーゲンが減少します。

筋グリコーゲンが低下したままでは、運動パフォーマンスも低下してしまうことが考えられます。

ですので、次のレースやトレーニングまでに、ある程度は筋グリコーゲンを回復させておきたい。

今記事では、そのための栄養摂取方法について考えていきたいと思います。

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論文紹介

題名:Effects of glucose ingestion at different frequencies on glycogen recovery in mice during the early hours post exercise
著者:松永 裕さんら
公開日:2021年11月7日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pmc/articles/PMC8574022/

論文結果:運動後の筋肉グリコーゲン回復は、適量を一度に摂取したほうが良いかも。

✔一度に多量の炭水化物(グルコース)を摂取したほうが、複数回に分けて摂取するよりも、筋肉グリコーゲンの回復が大きかった。

✔ 一度に多量の炭水化物(グルコース)を摂取したほうが、複数回に分けて摂取するよりも、 インスリン濃度が高かった。

論文内容:運動後の筋グリコーゲン回復に対して、”炭水化物の摂取頻度”による影響を調査

■マウスでの実験。運動させ、筋肉グリコーゲンが低下したあとに炭水化物(グルコース)を摂取させた。

■ボーラス摂取(1度に食べる群)とパルス摂取(複数回に分けて食べる群)とにグループを分けて比較した。

■グルコースの摂取量はどちらのグループも、「1.2mg/体重1gあたり」とした。

・ボーラス摂取グループでは、運動直後に一度に摂取した。
・パルス摂取グループでは、運動後0分/15分/30分/45分の4回に分けて摂取した。

■筋グリコーゲンの状態は、運動から60分後および120分後に測定された。

私見まとめ

強度の高いトレーニングや練習をしていると、体内にある「糖」を利用して運動のエネルギーを作り出します。

それによって、体内の糖は減っていき、運動パフォーマンスも低下していくと考えられます。

1日に何本もレースをする場合や、練習・トレーニングが複数回ある場合などもあると思います。

よりよい運動パフォーマンスのために、体内の糖(グリコーゲン)を回復させることも大切な視点です。

今回紹介した論文の筆頭著者は

現在は、東京大学にて研究されている松永裕氏。

私にとって、同郷(新潟)の先輩でもあり、水泳競技者の先輩でもあります。

オリンピック前にも色々と相談をさせていただいてました。とっても感謝。

運動後に取るべき糖質の”量”は?

筋グリコーゲンが消費しているような状態から、回復に効果的な「摂取量」についてを紹介します。

■糖質(0.8g/体重1kg)で筋グリコーゲン合成に効果的であった。しかし、(1.2g/体重1kg)のほうが筋グリコーゲン合成が促進された。
L J van Loonら:2000

糖質(1.5g/体重1kg)と(3.0g/体重1kg)とで比較した結果、運動後2時間時点での筋グリコーゲン合成に差は見られなかった。
J L Ivy:2018


ということでなので、担当している選手たちへ推奨している「運動後の摂取量」は

体重1kgあたり1gくらい

このくらいの量をオススメしています。

忘れちゃいけない視点

どのくらいの”糖”が利用されたのか?体内から失われたのか?

この問題は、運動の強度や時間によって変わります。当たり前ですが、人間であれば個体差もあるでしょう。

スポーツの現場では、血糖値や血中乳酸値で推測していくことが現状では科学的なアプローチなのかもしれませんね。

筋グリコーゲンを測定する機器が日本国内にもあるようです。測定する機会があったら様子を共有したいと思います。

・100mクロールを全力で1本レースしたら、どのくらいの糖を消費するのか?
・90分のスイム練習では、どのくらいの糖が消費されるのか?

気になって夜しか眠れません。

一度にたくさん食べられない人は

お腹が弱くて、一度に多量の糖を摂取することが難しい人もいるかもしれません。

✔自分の消化吸収能力はどうなのか?

いろいろと試してみることが大切かと思います。いきなり、大事なレース本番で試さず、事前にチェックしていくことをオススメします。

運動直後にお腹痛くなっちゃったら、レースも不安になっちゃうもんね。

何を摂取するか?という点も、いろいろと試しておきたいところです。

実は以前に以下のようなtweetをしています↓

こちらのtweet内でリンクしている研究論文を、あらためて読み返してみましたが、tweetでの表現が適切ではありませんでした。

リンク先の研究論文では、今記事で紹介した論文と同様に「筋肉グリコーゲンの回復」についての分析結果を調査されています。

調査された論文では、運動後の”中~長時間”(4時間や8時間後)での筋グリコーゲン回復の状態が分析されていました。

一方で、今回紹介した松永さんの研究では、運動後の”短時間”(1時間および2時間後)での筋グリコーゲン回復の状態が調査されています。

さらに、炭水化物(グルコース)を「1度に摂取群」があることが、松永さんの研究での新しい視点です。

当チームで実際に飲んでいるアイテム

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