今記事では、水泳のストローク技術に対する動作学習を目的としたエクササイズを一つご紹介したいと思います。
アブストラップという道具を使用した【動きづくり】トレーニング
当チームでは、コチラのエクササイズを「肘懸垂」という名前で呼んでいます。
水泳動作における「腕のプル動作」を学習してもらう目的で実施します。
肘懸垂の解説動画
ダッシュスイミングスクールのYouTubeチャンネルにて紹介しております。
Twitterでのトレーニング解説
前鋸筋と広背筋をターゲットに肘懸垂を処方することが多いです。動作意識が苦手な選手にも導入が簡易的。胸部(上部胸椎)と肘の操作も覚えます。道具はアブストラップを用いています。 pic.twitter.com/lDyZQL05Ta
— 山﨑裕太 (@hari_sports_YY) April 20, 2019
前鋸筋&広背筋への刺激です。
— 山﨑裕太 (@hari_sports_YY) April 22, 2019
先日、アブストラップを使ったトレーニングを紹介しましたが、同様の動作を別のアプローチでもご紹介。今回は、スイミングにあるロングビート板を使用しています。
手前が大坂選手、奥が関谷選手です。 pic.twitter.com/q5VfgRQBeq
肘懸垂の目的解説
水泳選手が推進力を得るために
「手のひら」の形や使い方については、学んだり指導されたりすることも多くあるのですが
「上腕」の動きに関しては、あまり語られていないような気がしています。
この肘懸垂では、
主に、肩関節の【伸展】動作に対して負荷をかけています。
水を「真っ直ぐに押す」という動作を適切に行うためのトレーニングという位置づけです。
水泳選手で、「腕のストローク動作が上手く行かない」人はぜひ一度お試しいただければと思います。
クロールだけでなく、バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ
4泳法すべてで応用ができるストローク技術だと考えています。
「肘懸垂」と「チューブトレーニング」との違い
肘懸垂では、ご覧の通り「腕が固定されて、身体が移動する」
チューブトレーニングでは、「身体が固定されて、腕が移動する」
動作としては似ていますが、運動の構造が異なります。
どちらが良い悪いという問題ではありませんが、
肘懸垂エクササイズでは、【上腕と肘の意識】を高められるトレーニングとして実施しています。
水泳技術への転換
目的は、【プル動作の運動学習】です。
肘懸垂をしただけで、水泳が速くなる。なんてことは無いです。当然ですが、競技の練習(泳ぐこと)が必須になります。
手のひらだけを意識して泳いでいると、肘を立てる(ハイエルボー)技術は得やすいですが、腕をフィニッシュにかけて加速させることは難しいです。
「手のひら・肘・上腕」こちらの3点でプル動作がスムーズに行えると、肩の故障も少なく、より水に対して適切な面で加速させることが出来るのではないかと考えています。
広背筋や前鋸筋などの筋肉を狙って筋力トレーニングを目的とする場合は、また別のアプローチとなるでしょう。