アスリートにとって、アルコールというと悪いイメージが多いように思いますが
精神的なリフレッシュのために少量だけ飲むことがあるという人もいるでしょう。
筋肉トレーニング後のアルコール摂取の影響を調査した論文をご紹介します。
論文紹介
題名:アルコール摂取は、エキセントリック運動による筋力低下をさらに悪化させます。
Acute alcohol consumption aggravates the decline in muscle performance following strenuous eccentric exercise.
著者:Barnes MJら
公開日:2010年1月
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19230764
内容:トレーニングによる筋肉のダメージ後にアルコールを摂取することで、筋肉パフォーマンスに与える影響を調査!
11名(若年男性)が実験に参加。
定期的にレジスタンストレーニングに取り組んでいる人たちが対象となります。
実験は以下のような手順で進められました。
全員が2度の実験で比較をしました。(アルコール摂取パターンとオレンジジュース摂取パターンによる比較実験)
①サイクルエルゴメーター(エアロバイク)で5分間のウォームアップ
②膝伸展のパフォーマンステスト
③膝伸展(レッグエクステンション)のエキセントリック運動(100回×3セット)
④アルコールもしくはオレンジジュースを飲む
⑤36時間後に再度パフォーマンステスト
⑥60時間後に再度パフォーマンステスト
※2回の実験は、少なくとも10日間あけて実施されたようです。
※アルコール摂取パターンは、アルコールを体重1kgあたり1g消費しました。ウォッカ(スミノフ)をオレンジジュースで割ったとある。
参加者それぞれによるウォッカの平均消費量は約235.9mlほどだったようです。
ウォッカのアルコール度数は約40度のようです…。
結果:アルコール摂取によって筋力低下からの回復が遅くなった!
エキセントリック運動のあとは、全員の筋力パフォーマンスが低下しました。
その後の36時間・60時間での筋力測定では、
最大筋力(ピークトルク)も筋持久力も、
アルコール摂取によって明らかにパフォーマンスの回復が遅れている結果となりました。
まとめ
次回の論文紹介に続く。