筋力を高めたいなら「高重量×低回数」トレーニングを。泳速度を高めたいなら「高強度」練習を。

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アスリートが筋トレに取り組む上で、負荷や反復回数の設定に頭を悩ませることは多いかと思います。

競技の練習をキチンと優先した上で、筋トレの効果を可能な限り最大化させたい。

今記事では、そのようなヒントとなる考え方の部分について載せていきたいと思います。

競技者・指導者の方々にとって「筋トレの方法」を考えるきっかけとなりましたら幸いです。

目次

「筋肥大」効果は、低重量でも高重量でも同様である可能性が高い

筋肥大を目的としたレジスタンストレーニングは、重量を問わず、対象となる筋肉を”追い込む”ことによって効果を得られるようです。

つまり、低重量(1RMの30%くらい)でも高反復させることによって筋肥大効果は期待できる可能性が高いということ。

■参考論文:(PEDRO LOPEZら:2020

※低重量(1RMの20%以下)では、高回数やっても筋肥大効果はあまり見られなかったとする研究もあります。
Thiago Laseviciusら:2018

「筋力向上」効果は、高負荷(高重量)に依存する

筋力向上を目的としたレジスタンストレーニングは、低負荷(低重量)よりも高負荷(高重量)のほうが、大きな効果を得られるようです。

■参考論文:(Marcio Lacioら:2021

※短期間(3ヶ月未満)では上記のようなことが分かっているが…

もっと長い期間(半年とか1年以上)では、上記と同じであると言い切ることは現在の研究からは言えないようですのでご注意を。

適切なトレーニングフォームを獲得した上で取り組んでいこうね

「低重量×高回数」やる上でも、「高重量×低回数」やる上でも、適切なフォームで実施することが大前提だよ。

今記事の結論

能力を”継続的”に成長させるために、刺激を変化させながら取り組んでいくことが大切かも。

高重量で反復回数の少ないトレーニングばかりではなく、低〜中重量でハイボリュームなトレーニングも取り入れてみよう。

✅中長期的な成長を目指すならば、行ったり来たりしながら螺旋階段的な成長を。

私見まとめ

いわゆる筋トレ(レジスタンストレーニング)において、

■筋肥大を目的とする場合は「重量に関わらず、No more.(もうムリ〜)」までやること

■筋力(1RM)向上を目的とする場合は「高負荷(高重量)」に依存する

以上のようなことが言えるようです。

「低重量×高回数」

「低重量」(1RMの30%くらい)または(20〜30RM)で筋トレに取り組む場合、

■筋肥大の効果は期待どおりに得られるようす

ですが、

■筋力(1RM)は高まらない

と考えられます。

筋力をキチンと高めるには、高重量を扱ったトレーニングを実施する必要があるということですね。

当たり前のコトなので書こうか迷ったこと

筋肥大を目的とする場合も、筋力向上を目的とする場合も、

狙った『フォーム』でキチンと取り組めている、これが大前提かと。

当たり前のこと言っちゃってゴメンネ。

水泳競技の練習に置き換えて考えてみる

「筋トレ」と「競技練習」は違う!ってのは重々承知しているのですが、

ここではトレーニングの根底にある”刺激と適応”について考えてみたいと思います。

トレーニングの過負荷(Overload)

“たくさん泳げば速くなる”

これは事実です。おそらく、ある程度の泳速度までは速くなれるのだろうと思います。

上述の「筋肥大」効果についてと同様の考え方を当てはめることが出来るでしょう。

つまり、速度や強度は問わず、とにかく疲労困憊まで泳げば筋肥大的な肉体への刺激(生理学的な持久力)を与えることは可能であると考えられます。

しかし、このような「とにかく追い込む」方法ばかりでは怪我・故障のリスクは増大することが懸念されます。悩ましいところです。

トレーニングの特異性(Specific)

“筋力(1RM)向上は、高負荷に依存する”

これは、与えた刺激に対して特異的な反応を示す。

つまり、高重量のトレーニングによって「筋力」が高まりやすいということが分かります。

水泳練習で置き換えると、

レース速度を大きく下回るような遅いタイムでひたすら泳いでいても、スプリント能力は高まらないでしょう。

100mの前半50mタイムを速くしたかったら、25mや50mのタイム短縮につながるスプリント能力を高めることが必要かと。

スプリント能力を持ち合わせた上で、100m前半を余力を残して泳ぐ。そのような練習は別で必要です。そこもまた特異的なのです。

成長のためには様々な刺激を

水泳は、跳躍競技やウエイトリフティングと異なり、ある程度の持久力が求められる競技です。

筋肥大的な「ハイボリューム」トレーニングも、筋力アップ的な「高負荷(高強度)」トレーニングも、様々な刺激を適切に与えていきましょう。

螺旋階段的な成長を目指していきたいものです(ΦωΦ)

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