日々、トレーニングに取り組むアスリートの方々にとって大切な水分補給。
よりよいトレーニングを実施できるように、練習中のドリンクにも気を配りたところです。
アスリートの方々から「練習中は何を飲んだら良いですか?」と聞かれることも多い。
今記事では、運動中の水分補給について考えを巡らせていきたいと思います。
おすすめ製品を紹介することとなるので、売り切れにならないか心配です。。
まずは事前知識として
【事前知識】体から水分が失われると運動パフォーマンスが落ちる
なぜ水分補給にも気を配らなくちゃいけないのか?
発汗などによる体水分量の減少は、運動パフォーマンスを低下させると言われています。
ですので、効率的な水分補給のためのドリンクを準備していきたいですね。
【脱水について】
— YY (@hari_sports_YY) February 4, 2021
✅持久的パフォーマンスが低下する
軽度の脱水(体重の1%程度)状態では、有酸素性運動(1時間程度)においてパフォーマンスの損失が認められています。
冬でも、こまめに水分補給しましょう🥤https://t.co/zbUI99UaP3
【事前知識】水分補給(ドリンク)の浸透圧について
ヒトの体液(血漿)は、「約285mOsm/L」という値で保たれているようです。
この値よりも、
■大きい浸透圧は「高張性(hypertonic:ハイパートニック)」
■小さい浸透圧は「低張性(hypotonic:ハイポトニック)」
■体液と同等の浸透圧は「等張性(isotonic:アイソトニック)」
【事前知識】なぜスポーツドリンクには「糖質」が含まれているのか?
理由は大きく2つあるようです。
①運動のためのエネルギー補給として
②水分吸収の速度を加速させるため
ドリンク中に「糖」を含めることで、「水」だけのドリンクよりも、運動中の水分補給効果ありということが分かっています。
(David S. Rowlandsら:2021)
【結論】じゃあ、どんなドリンクが良いのか?
✅低浸透圧(ハイポトニック)で設計されている
✅糖質濃度が、4〜8%で設計されている
✅電解質(主にナトリウム)が、0.1〜0.2%で設計されている
【水分補給】を目的とした場合、これら3つの条件を満たしたドリンクをおすすめしたいと思います。
水分補給効果を比較した研究論文
「低張性のスポーツドリンク」を摂取することにより、等張性スポーツドリンク・高張性スポーツドリンク・ミネラルウォーターと比較して、運動による体液(血漿)量減少の大きな減衰が認められた。
つまり、ハイポトニック・スポーツドリンクの水分補給効果が最大である可能性が示唆された。
私見まとめ
さらに簡単な言葉でまとめるとしたら、
運動(練習やトレーニング)をするときは『ハイポトニック・スポーツドリンク』をオススメします。
ということを記事を通して述べてきたつもりです。
ハイポトニックスポーツドリンクを飲むことで、運動中の「胃腸の不快感が軽減される」「効率よく水分が吸収される」などのメリットが示されています。
しかし、浸透圧をハイポトニックに設計しようとすると、糖質を充分に含有させることが難しくなります。ドリンク中に多くの糖質を含めてしまうと浸透圧が上がるからです。
飲料中に糖質を含めるメリットについては前述しました↑
ハイポトニック設計なのに、糖質が充分に含まれている。さらに電解質濃度もきちんと設計されている。
そんなドリンクあるのか?ありました。↓
具体的なオススメ製品
あえて1つだけ紹介するとしたら【グリコのCCD】です。
なぜ、糖質が多く含まれていても浸透圧がハイポトニックのままなのか?
グリコが開発した高分子のデキストリン「高度分岐環状デキストリン」という糖を利用しているからです。
果糖やブドウ糖といった単糖類などを使用した場合、ドリンクの浸透圧が高くなってしまいます。
デキストリンという糖は、1分子で約1000個のブドウ糖が結合されている構造をしています。
そういった1分子中の結合が多い構造をしている糖を使用した場合、ドリンクの浸透圧への影響は低いことが分かっています。
デキストリンをさらに高分子で安定させた「クラスターデキストリン」を利用している製品が上記で紹介した【グリコCCD】となります。
今記事の解釈で注意点を挙げるとしたら
ドリンクの浸透圧が「運動パフォーマンス」と、どのように関連していたか?という点については直接的に調査されていません。
ここは解釈に注意が必要かと。
まぁ、それぞれを論理的に考えれば良いところでしょう。