ウエイトトレーニング種目で、最近注目されている【ヒップスラスト】という種目があります。
瞬発的な「走動作」に良い影響を与えるといった記事が多く見られます。
本日はヒップスラストが、与える影響を調査した論文をご紹介いたします。
論文紹介
題名:バーベルヒップスラストによって、「活性化する筋肉」と「運動パフォーマンス」への影響を調査
Barbell Hip Thrust, Muscular Activation and Performance: A Systematic Review
著者:Walter Krause Netoら
公開日:2019年6月1日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6544005/
内容:システマティック・レビュー
最初の検索で498件の記事が見つかり、その中から選択基準を満たした12件がレビューされました。
ヒップスラストが、筋肉活動でどのような活性が見られるのか。
パフォーマンスにどのような影響があるのかを調査しました。
結果:ヒップスラストで速く走れるぞ!
システマティック・レビューの結論として、4つが報告されました。
①ヒップスラストは従来のウエイト種目(スクワット・デッドリフトなど)と比較して、股関節の伸展筋群の活性化が顕著にみられる。
②筋活動としては、大殿筋、脊柱起立筋、ハムストリングス、大腿四頭筋が主となっている。
③ヒップスラスト実施による、活動後増強効果(PAP効果:Post-Activation Potentiation)は顕著にあり、短距離走(150m以下)のタイム短縮がみられる。
④短距離走のタイム短縮には、ヒップスラストで扱う重量が「最大以下」でないと効果がみられないケースが報告されている。つまり、最大重量(1RM)での実施では効果が見られないということ。※報告数が少なく、さらなる調査が必要である。
まとめ
走る競技者(陸上選手)は、ヒップスラストを実施しないという選択肢は無いように感じます。
私のトレーニング指導でも、ヒップスラストは実施するケースが多いです。
水泳選手ですと、スタート動作・ターン後の蹴りに活きてくるのではないでしょうか。
競技の「どの局面」で活かす動作なのかを意識してトレーニングに取り組んでいきたいと思います。