水泳肩(スイマーズショルダー)という言葉があります。
水泳選手が肩を痛めたときによく聞く言葉です。
肩の酷使や、肩甲骨の運動異常によって発生する症状だとされています。
今記事では、スイマーズショルダーの発生を予防するための一つの方法として提案することを目的に書いております。
肩の痛みを持つ水泳選手は、クロールを泳ぐときにローリングの左右差が見られる
24名(18歳以上)の競泳選手を対象として、肩の痛みとローリングの関係性を調査した研究があります。
✅呼吸しない側に肩の痛みを持つ水泳選手は、痛みを持たない健康な選手と比べて、痛みのある側への腰のローリングが有意に小さい。その結果、クロールを泳ぐときのローリングの非対称性が大きくなることが分かりました。
(Oscar Vila Dieguez and John M Barden:2020)
ローリングの左右差を無くすためには左右呼吸よりもシュノーケル
18名(大学生)の競泳選手を対象として、クロール時の左右への呼吸とローリングの関係性を調査した研究があります。
✅片側呼吸で得意な側をまわすと、呼吸した側への腰のローリングが大きくなることが分かりました。
✅両側呼吸とシュノーケルのいずれもローリングの非対称性を減少させることに成功したが、シュノーケルは腰ローリング角速度の左右差を減少させた唯一の条件でした。
(John M. Barden and Mike V. Barber:2022)
私見まとめ
水泳選手が肩の酷使によって発生する痛みは、ローリングの左右非対称性が見られることがあります。
左右差があるから痛みが出る。という因果関係ではなく、あくまで相関関係が認められているわけです。
現場の感覚としてローリング左右差の大きな泳法で競技を長く続けている選手は肩の痛みを抱えているなと感じられます。
なので、ローリングの左右差を少なくしていくための手段としてシュノーケルを使用して泳ぐという選択肢は持っていたほうが良いかと。
当チームの選手たちが使用しているシュノーケルはコチラ↓