スプリントトレーニングが先か?最大有酸素速度(VO2max)トレーニングが先か?【トレーニングの順番】

生理学

スポーツ指導者・コーチがトレーニング内容を考える際には、トレーニングの強度や量や頻度など、さまざまな要素を考慮する必要があります。

その中でも、トレーニングの順番は、トレーニングの効果に大きく影響を与える重要な要素だと思います。しかし、水泳の練習において「トレーニングの順番」というのはあまり語られていないテーマのような気がしています。

今記事では、1回の練習メニューの中でのトレーニングの順番について思考を巡らせてみます。みんなの「考えるきっかけ」にでもなったらいいかなと思います。

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【論文紹介】トレーニングセットの順序が与える影響

題名:Effects of Training Sets Sequence on Swimming Performance, Training Load and Physiological Responses
著者:Ioannis S. Nikitakisら
公開日:2023年12月4日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10747448/

論文結論

☑スプリントトレーニング(8本×50m)を実施した後に、最大有酸素速度トレーニング(8本×100m)を実施すると、逆の順序に比べて、体内の代謝反応(負荷)が高いことが分かった。

論文内容

▼12名の男性水泳選手(平均年齢19歳、平均体重80kg、平均身長183cm)が研究に参加。

▼200mクロールのベストは、FINAポイント平均635。

▼テスト前のウォームアップは、(400mクロール、200mクロールドリル、400m自己ベストの80%のペースでの50mフロントクロール×4本、12.5mスプリント×1本)を実施したのちテストセットへ。

▼実験内容は、3つのトレーニング内容を実施。

⇛セットAは「200m×8回」強度はLT速度。

⇛セットBは「100m×8回」強度は最大有酸素速度。

※AセットとBセットの200mと100mの反復はともに30秒の回復時間で区切られた。

⇛セットCは「50m×8回」強度は事前テストで実施した全力50mの95%。

※運動:レストの比率は1:1。

上記のトレーニングセットを無作為の順序で実施された。

(i)8×200mのセットAに続いて8×50mのセットC(A-C)
(ii)8×50mのセットCに続いて8×200mのセットA(C-A)
(iii)8×100mのセットBに続いて8×50mのセットC(B-C)
(iv)8×50mのセットCに続いて8×100mのセットB(C-B)

各トレーニングとも、セット間に10分間のレストを取った。

私見まとめ

一般的には、比較的に強度の低いトレーニングを先に実施してから最後のほうで高強度スプリントトレーニングに取り組むという流れが多いのではないでしょうか。決して間違ってないですし、トレーニングによる狙いによって異なるかと思います。

ここで述べたいことは、最大有酸素強度のトレーニングによる身体的内部(生理学的)負荷を高めるならば「VO2max→スプリント」よりも「スプリント→VO2max」の順序のほうが効果的な可能性があるかもね(^^)ってことです。

もういっちょ述べたいことは、VO2max能力を向上させたいのならば、スプリントトレーニングを先に実施したほうが良いかもしれないけれど、スプリント能力を向上させたいのならば、あれこれやらずにウォームアップを充分にしたら、しっかりレストとって1本1本を全力でやることやな。

※「生理学的負荷」って書いてボヤかしたのは、ひとつひとつの指標を説明するのがめんどくさかったからなので詳細知りたい人はリンク先のフルテキストを読んでみてね。

実際のメニューってどんな感じ?

私が作成したメニュー↑
対象者は、日本選手権出場者となります。


黄色ブロック

メニューの最初は25m飛び込んでのスプリントから始まります。理由は2つ。
①スイム練習前の陸上トレーニング(ドライランド)が適切に取り組めたか?確認するため。
②神経系をアクティベーション(PAPE)させ、その後に続くテクニック練習をスムーズにするため。

青色ブロック

ここでは50mまたは25mで速度を発揮してから、100mでVO2maxまたは200mでLT強度である程度のボリュームを泳ぎます。
こちらのメニューで乳酸をしっかりと算出したのち、低強度のエアロビック・テクニック向上のためのドリル練習に移行します。

赤色ブロック

いわゆるメインメニューです。この日は、25m×8本×3セットを実施しました。
いわゆるタバタトレーニングです。
強度表記を見ていただくと分かるかと思いますが、キックは170%VO2max、クロールスイムは150%VO2max、バタフライスイムは170%VO2maxとしています。
キックとバタフライスイムの努力度を高くしてもらうためにクロールは少し強度を低く泳ぐイメージで表記しています。
170%とか150%とかどうやって算出しているのって聞かれることが多いんですが、だいたいの感覚値ですw


上記のような構成でスイムトレーニングに取り組んでいます。

トレーニングの狙いは、日によって変化させる手法を取っていることが多いです。

さいごに

今回紹介したメニュー構成やプログラムについては、うまいメシ(&酒)を奢ってくれたらお答えしますw

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