アスリートが競技練習以外のトレーニングをする理由

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現在(2013年〜)、私は【競技コーチ】と【トレーニング指導者】という2つの立場を並行して行っています。

私が【トレーナー(トレーニング指導者)】という立場だけだった頃に、

ある水泳選手から「このスクワットが水泳競技にどういう効果があるのですか?」と問われました。

その時に何と答えたのか明確に覚えていませんが、今だったら何て答えるのか。

考察してみたいと思います。

目次

練習(トレーニング)目的の分類

①競技の練習

②動きづくり(動作学習)

③身体づくり(筋力向上)

以上の3点に分類して練習&トレーニングを進めています。

例えば、水泳競技者の場合

【スクワット】という運動は、

「①競技の練習」には分類されないでしょう。

「②動きづくり」という目的でスクワットを実施する場合は、

当然ですが【競技のドコに活きるのか】を競技者へ説明できることが必須です。

この場合、スタート局面やターン局面の動作に活かすことが出来ます。

しかし、「③身体づくり」という目的でスクワットを実施する場合は、

加える重量・チカラを発揮する姿勢などが「②動きづくり」とは異なります。

もちろん中長期的なトレーニング計画の視点も必要でしょう。

競技者が、時間を割いて「③身体づくり」に取り組むべき理由を以下に述べてみます。

競技者・アスリートが「身体づくり」トレーニングに取り組むべき理由

スポーツを楽しむ全ての人へ

いわゆる「筋トレ」を、私はオススメしています。

筋力トレーニング(レジスタンストレーニング・ストレングストレーニング)を実施することで得られる効果は大きく2つ!

1.関節・筋肉の柔軟性が高まる

2.狙った筋肉が効率よく強くなる

つまり、筋力トレーニング(レジスタンストレーニング・ストレングストレーニング)を実施する目的は…!

①ケガや故障を予防する

②競技において、より高度な技術を身に付けやすくなる

以上のようなことが、現在の私が考える【トレーニングをする目的】として
アスリートや競技者の皆さんに伝えている内容となります。

もっと目の前にある「トレーニングの狙い」

上記で述べた「目的論」は、けっこう壮大でピンと来ない人もいるかもしれません。

そこで、スクワットをすることで得られる具体的な事例を説明することも多いです。

例えば、
・脊柱や胸郭の柔軟性向上
・内転筋の筋力と柔軟性向上
・股関節外旋筋群の筋力向上
・ハムストリングスの筋力と柔軟性向上
・ドローイング筋力向上&技術獲得
といったことが、スクワットによる効果として挙げることができるでしょう。

練習の分類に「優先順位」は無いのか?

あります。それは、競技の習熟度によって多少異なると考えています。

全ての競技者において、最優先の練習は「競技の練習」であると思います。

その中でも、競技上級者・トップアスリートは「①競技の練習」と同じくらい「③身体づくり」に時間を割くべきだと考えます。
なぜならば、【より高い技術と体力】が求められるケースが多いからです。

一方で、競技初心者である人は
「①競技の練習」で、ある程度の必要な筋力と体力というモノが備わってきます。

結論

より高みを目指せば、必要な要素は変わっていきます。

参考論文

レジスタンストレーニング(筋トレ)が、ケガ故障を予防する根拠となる論文

Strength training as superior, dose-dependent and safe prevention of acute and overuse sports injuries: a systematic review, qualitative analysis and meta-analysis
著者:Jeppe Bo Lauersenら
公開日:2018年12月
https://bjsm.bmj.com/content/52/24/1557.long

The effectiveness of exercise interventions to prevent sports injuries: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials
著者:Jeppe Bo Lauersenら
公開日:2014年6月
https://bjsm.bmj.com/content/48/11/871.long

レジスタンストレーニング(筋トレ)が、柔軟性を高める根拠となる論文

Effects of Different Number of Sets of Resistance Training on Flexibility
著者:THALITA B. LEITEら
公開日:2017年9月1日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5609666/

Effects of different resistance training frequencies on flexibility in older women
著者:Nelson H Carneiroら
公開日:2015年3月5日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4354617/

Chronic Effects of Different Resistance Training Exercise Orders on Flexibility in Elite Judo Athletes
著者:Alam R. Saraivaら
公開日:2014年4月9日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4096095/

Resistance Training vs. Static Stretching: Effects on Flexibility and Strength
著者:Morton, Sam Kら
公開日:2011年12月
https://journals.lww.com/nsca-jscr/fulltext/2011/12000/Resistance_Training_vs__Static_Stretching__Effects.22.aspx

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