No.129の記事では、スタート局面から「15m通過の速度」と「ジャンプ力」との関係性について書きました。
競泳スタートとジャンプパフォーマンスとの関連性について書きました。
— 山﨑裕太(Yamazaki Yuta) (@hari_sports_YY) August 20, 2020
ストレングストレーニングで筋力を高めること、競技の技術トレーニングでスキルを獲得すること。
限られた時間で、どちらも並行して取り組んでいくバランスが難しいよね〜。https://t.co/PNZTUHzhBs
今記事では、10歳前後のジュニア水泳選手を対象とした
「スイム練習だけ」群と「スイム練習+陸トレ」群との比較研究をご紹介したいと思います。
論文紹介
題名:The Effects of Plyometric Jump Training on Jumping and Swimming Performances in Prepubertal Male Swimmers
著者:Senda Sammoudら
公開日:2019年11月19日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6873130/
論文結論:泳ぐだけよりも「泳ぐ+陸トレ」のほうがパフォーマンスアップした
スイム練習のみグループよりも、
スイム練習+陸トレ(プライオメトリック)グループの方が、
ジャンプ力とスイムパフォーマンスの向上に効果的であった。
論文内容:ジュニア水泳選手を対象に、8週間トレーニング効果を調査
■26名の男性(平均年齢10歳前後)が実験に参加
→「スイム練習+陸上トレーニング」グループ:14名
→「スイム練習のみ」グループ:12名
※上記のグループ間で、トレーニング量は同様である、という記載があります。
陸上トレーニングをプラスしたグループでは、
アンクルホップとカウンタームーブメントジャンプを実施しました。
私見まとめ
ジュニア水泳選手にとっても、泳ぐ練習のみと比べ
泳ぐ練習に加えて、陸上トレーニングを実施したほうが
競技パフォーマンスの向上効果が期待される結果となりました。
今回、引用した論文では
トレーニング期間は8週間に渡って、競技パフォーマンス向上を比較した実験となっています。
水泳パフォーマンスと陸上トレーニングの組み合わせを数週間以上に渡って調査した研究はまだまだ少ないです。
下半身の筋力向上は、水泳の技術を高めることに直結はしません。
ですが、壁を蹴る力やキックを動かし続けるエネルギー強化などのメリットによって
スイムパフォーマンス向上に繋がっていることが考えられます。
では、プライオメトリックトレーニングが最適なのか?と言うと、必ずしもそうではないでしょう。
当然ですが、選手個人のトレーニング経験や競技歴によって
最適なトレーニングの組み合わせは異なるでしょう。
まずは、自体重でのトレーニングフォームを習得し、
それから、プライオメトリックのようなジャンプ系トレーニングも並行して実施する。
競技力向上を目指すために、競技練習以外のトレーニングを効率よく進めていきたいものです。
No.100の記事では、ストレングストレーニングと競技力向上についての考察をまとめています。